ヒロオさん

ナチスの強制収容所/ナチス絶滅収容所のヒロオさんのレビュー・感想・評価

3.7
ナチス強制収容所が連合国によって解放された当時の様子を記録した作品。

米国陸軍通信部の記録であり、ニュルンベルク裁判でホロコーストの存在を示す証拠として提出された映像。
なので、映画ではない。

内容が改変、修正されてないことの宣誓から始まり、その後ヨーロッパ各地の収容所の様子が映し出される。
自分が思っていたよりも沢山の収容所があったことにまず驚いた。

何より衝撃だったのは、被害者の身体だ。
感染症、飢餓、重労働、虐待、拷問を経験した身体は、生身の人間と思えないほど痩せ細っており、見るのも痛々しい。
収容所の生活の壮絶さが物語られていた。
それが死体の山で積み重なっている光景は異常だった。

食べ物を探してゴミを漁ることが特権だったこと、親衛隊員が一万人目の死を祝ったエピソード、人間の皮でできたランプ…
衝撃的な話ばかりだ。
人間の感覚はここまで麻痺できるのだと思って、恐ろしかった。
ヒロオさん

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