あーさん

美女と野獣のあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

美女と野獣(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

美女と野獣 個人的考察①

夏頃に地上波でやっていたので、録画した物を初鑑賞。
この実写版は皆さん高評価で、観るのを楽しみにしていた♪

♪Beauty and the Beast も好きな歌だし、監督は大好きな"シカゴ"や"グレイテスト・ショーマン"のビル・コンドン🎶
どんな世界に連れて行ってくれるのだろう、、とワクワクしながら観始めた。

最初のベルの登場から、歩きながら歌う場面はとても引き込まれた。
画面も美しく、♪Belle (朝の風景)を歌う主人公ベルを映すアングルのパノラマ感がすごくて、村人達とのやり取りも楽しく、花に囲まれたベルがなんて素敵!となった。。


のだが、、


実は色んな所に引っかかりを感じて、なかなか物語に入っていけない自分もいたというのが正直な所。。(アニメーション版も未鑑賞)

まず、ベルのお父さんの設定が芸術家になっている。商人のはずでは、、
ベル(フランス語で美しいの意味)も変な子だけど美人?美人だけど変な子?なんかよくわからない。。
村人達とも楽しそうにしているように見えるのに、変わり者と言われている体?
そして、本好きで機械に強いエンジニア?
ややこしいな。
原作では本好きは同じだけれど、気立ての良い優しい末娘という設定なんだけどな。きょうだいもいないから、対比でベルの性格が、、というのが実感できない。
知性があって感性が鋭い故に変わり者親子、という設定?

ただ、ベル役のエマ・ワトソンは自分で歌が上手いと言ってしまう(笑)だけあって、確かに上手い。小柄だし雰囲気もベルに合っている。

それから、野獣にされてしまった美しくわがままな王子の過去の生い立ちもちょっと弱い。言いたいことはわかるのだが、そこから何故彼が変わっていったのかがあまり伝わってこなかった。あのパリピから、、
ベルを好きになる中で優しくなった、ということ?もし、ベルが美しくなくても恋に落ちてた?
最後に元の姿に戻るのは、結局見た目で判断するという価値観に戻るのではないですかい?それなら、野獣のままで良いのでは。。ふーむ。
原作では、見た目に惑わされなかったベルが最後にご褒美がもらえる=王子と結ばれるという設定になっている。

ガストン役のルーク・エヴァンスはソロ曲の♪ Gaston (強いぞ、ガストン)では歌も上手くて、ル・フゥ(ジョシュ・ギャッド)との掛け合いも楽しく、とても素敵な俳優だな〜と思いながら観ていたのだが、武骨で豪快で戦争帰りのトラウマを抱えるキャラがだんだん暴走していく件が、ちょっと観ていて怖くなってしまい、、
ベルのお父さんを無理やり病院に連れて行こうとする場面では、こんなお話だったっけ?とわなわなしてしまった。。
まるで魔女狩りのよう、、
小さな村の集団心理は恐ろしい!!
ラストではやっぱりそうなるか、、とお決まりのディズニーの悪役の運命。
折角、素敵な所もあるガストンを何だか活かせてない気がする。
ディズニーが多様性を追求しながら、悪役の描き方がテンプレートを超えてこないのは、何だかなぁ。。
(原作のお話では、誰かをやっつけてフィナーレではなく、あくまでもベルと野獣の関係性の中でハッピーエンドになるのだ。また野獣は知性を封印されているので、二人はそこに共鳴するのではなく、あくまでもベルの言葉から彼女の曇りのない心、優しさが伝わるから、野獣の心が動いていくのがとても自然。作者は外見の美醜だけでなく、知性も場合によっては外見を着飾る要因になると言っているような気もする。)

それから、チラチラ垣間見えるポリコレのあれこれ。LGBTとか人種間の問題とか、敢えて今作で出さなくても良いのでは??と思ってしまう場面も…。
私自身はそんなに問題のあるシーンだとは気に留めなかったけれど、実際"同性愛を宣伝している"とロシアで物議を醸し、マレーシアでは上映延期、クウェートでは上映禁止など、ミュージカルとしては良い作品なのに、違う所で注目されてしまっているのが勿体ない。
そういうのを入れない方が良かったんじゃないかなぁ。。

野獣役のダン・スティーヴンスは、"ダウントンアビー"で注目、期待していたけれど、ずっと野獣の被り物をしている為全く存在感がないまま終わってしまったのが残念。
家具や食器などに姿を変えられていた召使いのキャスト達(ユアン・マクレガーやエマ・トンプソンら)も、最後に豪華なメンバーだったことが分かる仕掛けになっていて、勿体な〜い!(ストーリー上しょうがないけど…)

色々不満ばかり書いてしまって、高評価な方々が殆どなのに、大変申し訳ない。。
自分は今ひとつ、ハマれなかった模様…。
私が子ども時代、このアニメーション版に親しんでいれば、また違ったのかも。
あくまでも一個人的な見解なので、
お許しをm(_ _)m

勿論、曲はどれも素晴らしく、さすがアラン・メンケン先生♪

新しい曲、メインの曲に加えて、
♪ Be Our Guest(ひとりぼっちの晩餐会)
♪ Something There(愛の芽生え)
♪ How Does A Moment Last Forever
(時は永遠に)
♪ Evermore(ひそかな歌) 他

…素晴らしいナンバーばかり!

サントラは、ほしいなぁ。。


総じて、ミュージカルとしては素敵な作品になっているのではないかな♪


気になったので、違う"美女と野獣"も観てみようと思う。

②につづく
あーさん

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