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MERU/メルーのTSのレビュー・感想・評価

MERU/メルー(2014年製作の映画)
3.8
【世界最難関の頂へ】80点
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監督:ジミー・チン
製作国:アメリカ/インド
ジャンル:スポーツ・ドキュメンタリー
収録時間:87分
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かなりの労作ドキュメンタリー映画と思われます。世界最難関と言われるヒマラヤ山脈のメルーに、世界屈指のクライマーたちが登るというロマン溢れる作品です。登山が好きな人はもちろん、何度も絶景を拝めるのでそういうネイチャードキュメンタリーが好きな人にもオススメです。

そもそも何故彼らは山を登るのか。頂点じゃないと駄目なのか?恐らく高所恐怖症である僕からすると考えられない、狂気の域に達しています。ヒマラヤ山脈の一角であるメルーはメディアでもあまり取り上げられない隠れた名山らしいですが、クライマーたちにとっては最後の砦である模様。初心者からすると、世界最高峰のエベレストが最も難しいのでは?とふと思ってしまいますが一筋縄では行かないようです。まず出だしから困難をきわめるようでして、荷物を運んでくれる現地の民族、シェルパ族がメルー付近にはいないそうです。加えて全く整備されていないまさに自然そのものの反り立つ壁。これを乗り越えるには相当の筋力、そしてこれまでの熟練された経験が必要でしょう。

ナショナルジオグラフィックでも取り上げられているコンラッドをはじめ、三人のクライマーがこの難攻不落の山の完登を目指します。命がかかっている所業であるため、その臨場感も半端ない。しかし、所々映される神秘的な映像には心を奪われます。
個人的にはこれら一連の映像をおさめているカメラマン、ジミー・チンが凄いと感じました。彼は本作の監督でもあり、身をもって本作を作りあげたということになります。もちろんクライマーも素晴らしいですが、こんなところでどうやって撮影してるんだ?!と思わずにはいられないシーンが何箇所もあります。文字通り、命懸けの撮影だったことでしょう。

クライマーにとって最高の報酬ともいえるメルー峰の完登。普通の人ならば命をかけて登ろうともしない絶壁の砦。これに果敢に挑む彼らの姿は途轍もなく勇ましいです。総合的に元気が出る、自分も何か頑張ってみようと思えるドキュメンタリー映画でありました。
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