「おねがいだからしあわせになってください」
さだまさしの『風に立つライオン』を
学生の時に初めて聴いた時、
まるで一冊の小説を読んだような感動を覚えました。
歌が物語だった。
タイトルから、この歌を元に作られた映画であるだろうことは想像できたけど、
さだまさしが作った映画ではなくて、
この歌のファンだった大沢たかおさんが、
さださんに小説化と映画化を熱望し、
もし映画になるなら自分が主演をやりたいと直談判したそうです。
監督が三池監督というのも意外でした。
全く三池監督らしくない作品だと思うのですが…
なぜ三池監督がつくることになったんでしょう⁇
厳しい状況に置かれる子どもたちを見るのはとても苦しいけれど、
苦しいだけじゃなくて、
とても優しい映画でした。
モデルになった人はいたけれど、
実話ではないそうですが、
この歌が、映画が、始まりとなって、
日本人の海外での活動が盛んになったそうです。
音楽や映画が世界を少しでも良くする活動に繋がっていくことは本当に素晴らしい事です。
フィクションがたくさんの実話を作る…
そんなこともあるんですね。
世界には、
まだまだ知られていない、
酷い状況下で生きている人たち、子どもたちがいること…
両親を目の前で惨殺されて、
その残虐な記憶を麻薬で消され、
少年兵として戦地で人を殺していた子どもたち…
そんな酷いことが、
同じ人間にできるんだろうか…
そこにいる子どもたちは、
怪我をしていても、病気でも、
心は健康。
でも、心に傷を負って
なかなか心を開かない少年もいる…
生きていく術を他に知らないので、
身体の傷が治ればまた戦場に戻ってしまう子もいる中で、
違う方向に人生をシフトする子もいて、
それはやっぱり、
どんな大人に出会うか…
酷い大人もいるけど、
そうじゃない大人もいると信じられること、
それも大きいと思う。
夢は叶うかもしれないと思わせてくれる大人に出会うことが。
こうして
国境も人種も越えて、意志は引き継がれていく。
作品中で久しぶりに『風に立つライオン』を聴いたら、
自分でもびっくりするほど泣きました。
手のひらにのるくらいの
小さな一袋のとうもろこしの種が
この地でも希望の種になりますように。
がんばれ!は他人に言う言葉じゃない。
がんばれ〜!!