Ryan

グッド・シェパードのRyanのレビュー・感想・評価

グッド・シェパード(2006年製作の映画)
3.7
一流が集まれば面白い



ストーリー
1961年4月17日、キューバ革命により共産主義政権へと変わったキューバのピッグス湾に、亡命キューバ人の部隊が政権の転覆をもくろんで上陸。しかし、これを支援するCIA内部の情報漏れによって作戦は失敗してしまう。仕事と家族の狭間で揺れる主人公の葛藤を軸にCIA誕生秘話を壮大なスケールで描く物語。


主演 マット・デイモン
監督 ロバート・デ・ニーロ


めちゃくちゃ面白い。
難解な事象と台詞回し、構成も過去と現在を行ったり来たりで映画自体を読みづらい。
しかし、我々がイメージする本物のスパイに近いものを見た気がする。

スコセッシとデニーロの黄金コンビ作品と比べた時にスコセッシ作品にはマフィアを描きながらエンタメ性がある。デニーロ演じるキャラもそのエンタメ性に見事ハマった訳だが、彼が監督した今作を見るとエンタメ性はほぼない。あるのは混乱と無秩序と国を想う気持ち。歴史に名を残すロバートデニーロのまた新たな一面を発見したようでなんだか嬉しい。

とにかくドキュメンタリーに近い作り方をしている。そのため派手な展開等はもちろんない。終始静かに物事の裏側を更に俯瞰しながら描いてある。
CIA最大の汚点と言われた事件の真相を探るサスペンスではあるものの、重きが置かれているのは苦悩のスパイ、エドワードと彼が出会う人々の生き様を描いた人間ドラマ。
これが面白い。嘘と嘘のぶつかり合いが良い。

キャストもとにかく豪華でほぼ名優ばかり。
ブレイク前のエディレッドメインが観れたのは嬉しい。マイケルガンボンが優勝かな。

長尺で静かな映画なので人によってはかなり退屈だろう。
人間ドラマに哀愁みたいなものを感じてしまいその意図を読み取ろうとすると面白いだろう。
Ryan

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