Supernova

スポットライト 世紀のスクープのSupernovaのレビュー・感想・評価

4.5
ビジネス、ジャーナリズム、宗教、法律と政治。

権力と構造でがんじがらめになってしまった悪事の実態を紐解いて、白日のもとに晒す。
これぞ報道のあるべき姿。

言いたい事が多すぎるので、あえて手短に。

かなり事務的な会話が多い。音楽で下手に感情を煽る真似はしない。映画の影響力を弁えた謙虚な姿勢。被害者への配慮が完璧で、ただのエンタメとして消費される事を拒むまさにこう言った映画のあるべき姿。感動ポルノになりがちな実話ものだけど、だからと言って娯楽性を完全に切り捨てているわけではなく絶妙なバランスで成り立っている。
映画も報道と同じレベルの力を発揮できることを証明している。

この映画の素晴らしいところは、ジャーナリズムも完全な正義ではなく、むしろ悪の側面もあることを嘘偽りなく描いている点にあると思う。
裏を返せば、報道の中立を保つことの難しさを描いた作品でもある。当然ジャーナリストの勇姿を描きつつも、映画を作る上であくまで部外者として中立を貫いた姿勢はもっと評価されるべき。

マイケル・キートン、マーク・ラファロ、スタンリー・トゥッチの演技上手すぎ。マークの「純粋だけど少しクセのある良いやつ」の説得力が高すぎる。

大傑作。誰しもが見るべき作品。
Supernova

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