Nana

スポットライト 世紀のスクープのNanaのレビュー・感想・評価

3.5
ボストン・グローブ誌が、神父の小児虐待と、長年に渡りカトリック教会が隠蔽していた事実ををスクープした実話を、ドラマ化した作品。
ジャニーズ問題でモヤモヤしていた気持ちが、ちょっと軽くなるようなお話でした。ちょっとだけなんだけど( ߹꒳​߹ )

地方紙でカトリック系の住民や、地元とも繋がりが強いボストン・グローブ誌に、都会から新しい編集長が赴任。
人気記事を書くために「スポットライト」チームに、神父の子供への性的虐待について調査を進めるよう要請される。
教会や弁護士の守秘義務で証拠が見つかりにくい中、長年に渡り教会が抱えてきた深い秘密が暴かれていく。

登場人物が多くてちょっと混乱したけど、実際の変態神父じゃなくて傷ついたまま生き残った被害者に焦点を当てているのが印象的だった。
1人が受けた心の傷があんなに大きいなら、ジャニーズの数百人規模はどんなに重い罪になるんだろう。
映画では「神に愛されたと思って拒絶出来なかった」という人がいたけど、スターを目指す少年たちにとってジャニーは神だったんだろうなと思うと、罪の深さに苦しくなった。

記者はマイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、いつも走ってるマーク・ラファロなどで、アメリカの良心が感じられるキャスティングだった。しかしジャーナリストには、自分の時間が無さそうだな。

カトリック教会は事実を確認していて、数年おきに治療施設でデータをとりながら、新しい地区に赴任させ続け、多くの子供たちが被害にあっている(現在進行形)のが、なんともショッキング。
教会に通うのが心のよりどころになっているアメリカの田舎に住む人は、受け入れ難い事実だったろう。

日本ではあまり分からない、ジャーナリズムの意義を感じました。
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