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スコピオ・ライジングのchaooonのレビュー・感想・評価

スコピオ・ライジング(1964年製作の映画)
3.7
ケネス・アンガーの短編作品を集めた『マジック・ランタン・サイクル』HDリマスター版『B_PROGRAM 』から1/5本目🎬

何とかアップリンク渋谷閉館前に滑り込みで『B_PROGRAM 』も鑑賞✨

ケネス・アンガー作品の中でも後代の映画作家に多大な影響を与えたとされる代表作。
それもデヴィッド・リンチ、ギャスパー・ノエ、ニコラス・ウィンディング・レフンなど、奇才と呼ばれるような錚々たるメンツ。
しかも『死ぬまでに観たい映画1001本』にまで入ってるからびっくり!

『A_PROGRAM 』の悪魔的でドラッギーな摩訶不思議感とは少し変わって、ムーディーなポップソングにのせたバイカーたちの日常🏍

前半はガレージでバイクいじりをする映像と音楽がゆったりと流れて、なかなかアンニュイ🎶
映画というよりミュージックビデオのような映像🎶

使用された曲は…
ボビー・ヴィントンの”ブルー・ヴェルヴェット♬”
エルヴィス・プレスリーの”悲しき悪魔♬”
レイ・チャールズの”旅立てジャック♬”
など、当時流行していたアメリカのポップソング13曲🎶
予算は8,000ドルだったが、使用した著作権の支払いで2倍に膨らんだらしい💸

若い青年の裸に直接羽織る黒いレザーのジャケット、バイクにクロムメッキ、スタッズ。
コミック、マーロン・ブランドの映像や、ジェームズ・ディーンの写真が映り込む部屋で横たわる。
わかりやすく若者の象徴といった風景!

そこから紫の布を被せたドクロが登場し、後半に入っていくと何やら不穏な雰囲気💀💜

若者たちの集会に、イエスが巡礼するような映像が挟み込まれる。
(どうやらこの映像は日曜学校用の『キリストの生涯』の映像を拝借して組み込んだらしい)
宗教的映像が異端的なイメージに扱われ、更にはかぎ十字まで登場🩸卍

若者たちの姿も暴力的に、同性愛的な要素を含んだ性的で過激な映像に。
そして爆発したエネルギーが混沌と化したラストへと疾走していく🏍🌀
雰囲気が二転三転していく短編だったなぁ!
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