ゼロ

イニシエーション・ラブのゼロのレビュー・感想・評価

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)
3.0
前田敦子の演技が光る映画です。

映画のキャッチコピーとして「最後の5分、全てが覆る!!」を謳っていますが、そこまでの大どんでん返しはありません。このトリックは原作である小説には有効ではありますが、映像作品には向きません。映画では、最後の5分に至るまでの過程を丁寧に描いているので親切ですが、どちらかと言えば前情報なく観た方がいいです。

映画としては、成岡 繭子役の前田敦子さんが輝いていました。演技力があるというよりは役柄にぴったりでした。

物語の導入部としては、「僕」こと鈴木は、友人の望月から代役で呼ばれた合コンで出会ったマユに惹かれ、恋に落ちていくという恋愛もの。奥手の男性に響くような表情や演技をしていて、AKB48時代に培ってきたものは無駄じゃなかったと思うようなオタク男子に響く女性を演じています。

鈴木を演じる松田翔太さんもダメ女にハマるような男を演じており、出演者は役に合っている人ばかりでした。1980年代の雰囲気を出す音楽作りも良かったりと良い部分も多いのですが、ラストに向けてのパンチが弱かった印象を受けます。

一つ昔の恋愛映画を楽しみたい人には良い作品かもしれません。
ゼロ

ゼロ