ヒデ

海にかかる霧のヒデのレビュー・感想・評価

海にかかる霧(2014年製作の映画)
3.8
「今回は密輸の仕事が入ったんです。密輸じゃなくて密航。運ぶのは朝鮮族です」

貧困から密航に手を染めた漁船員たちが地獄を見る話。

え、これ実話ベースなの…?ってくらいヤバい映画。カイジのエスポワール号の方が100倍マシなんですけど?よくよく調べてみたらモデルになったテチャン号事件とは全然違うみたいだけど、ようこんな悪魔みたいプロット思いつくな…と衝撃を受けた。さすがポン・ジュノ。

海の上というシチュエーションでこんな出来事起きたらそりゃ狂うわ。独裁者の船長、金の亡者のアフロ、絶対ヤりたいマンの兄貴、常識人ゆえにおかしくなる機関長、心優しい若者ドンシク、そして朝鮮族のヒロイン。強烈なキャラたちはしばらく忘れられそうにない…。


以下、セリフメモ。


「安物のコピー時計が契約金だと?」
「大事なのは信頼関係です。信頼のシンボルとしてはめましょう」

「船に女を乗せる気か?」

「もう機関室に入ったの?密航船で女が機関室に入る理由は一つだけ。降りたら結婚なさい。韓国の国籍がもらえて堂々と暮らせるわよ」

「魚艙に入れるなんて…。あんなの人の入るところじゃない!」
「魚の入るところだからな」

「甲板長!(ガタガタ文句言う奴は)海へ放り込め!いいか。船では俺が大統領で父親だ!」

「貴様らの命は俺が握ってる。それを忘れるな」

(機関室で自分のために布団を敷くドンシクを見て)「ここで私をどうにかする気?」
「男だからその気になればできるけど…力ずくで女を同行する人間じゃない!」

「ガス漏れだ!フロンガス…。冷凍機が爆発したんだ」

「むしろ好都合だ。一度に死んでくれた」

「(死体から)血を出せば魚が寄ってくる。一つでも陸に辿り着けば俺たちは終わりだ」

「みんなしっかりしてくれ!俺たちは運命共同体だ。まさに同じ船に乗ってる」

「必ずお前を陸へあげる。九老(クロ)へ行くんだ」

「貴様もうヤったんだな!?俺のものだぞ!いつの間に!?」

「船長だと?あんたはただの人殺しだ!」

「目を覚ませ。この船はもう沈む!」

「全部捨てないと…この船は…まだ助けられる…」

「家に…帰らないと…」
「ドンシクさん。ありがとう」

「青唐辛子ありますか?」
「ラーメンに?」
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