じょうパン

セッションのじょうパンのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.3
皆が面白いというので逆に期待せずに観ましたが最高でした。色んな意味で怖かったです。
ジャスや音楽や芸術を通しての人間関係が描かれている作品で面白かったです。

◻️脚本
ラストは観客に委ねる結末で、私はあの後ニーマンはプロの楽団にスカウトされるんだろうなと感じました。その理由は一度は恥をかかせられながら舞台を降りたものの、もう一度戻ってきて演奏の主権を奪うという、よっぽどの勇気がないとできないと思うので私がスカウトの立場だったら間違いなくその部分を評価してスカウトすると考えたので、ラストはそういう解釈になりました。
フレッチャーのキャラクター設定が本当に上手かったです。あんだけ完膚なきまでに悪口を言われたら誰しもが嫌いになりますが、最初のコンテストで女の子と優しく触れ合っている場面を入れる事によって、この人にも良い部分はあるんだなと感じさせられるので、このシーン含めてキャラクター設定が上手かったです。また最後はまんまとアンドリューのように騙されました。これもまたキャラクター設定も上手いし、信じた奴が悪いと言われている気分でした。
フレッチャーの言っていることが本心で言っているのか嘘で言っているのかが分からなくなるくらい怖くなりました。
またアンドリューの葛藤も凄く良かったです。家族に「スポーツは勝ち負けがあるけど、芸術は勝ち負けがない」と言われたり、家族が芸術に対する評価というのがそんなに高くなく、アンドリューの気持ちを理解してくれず、気持ちが交差している感じでリアルでした。彼女との別れも確かに言い方は少し酷かったですが、なんとなくアンドリューの言いたいことも分かりました。最後に電話すると彼氏がいたのも悲しくて良かったです。

◻️演技
フレッチャー役のシモンズの演技が上手いレベルを通り越して怖かったです。今後シモンズを他の映画で観るとこの作品のフレッチャーのキャラクターとして観てしまそうなくらいリアルでした。
自分の高校時代の嫌な先生に似ていて、それを思い出させてくるくらい嫌な演技でした。(リアルで良かった)


◻️まとめ
全体を通して全く退屈せずに観れました。おそらくフレッチャーが怖くて自分もその場にいるかのような状態で観ていたからだと思います。フレッチャーの振り回されようには人間不信になるレベルで怖かったです。
デビット・フィンチャー監督の中では今の所1番好きな作品になりました。
誰にでもオススメできます。

2024 37本目
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