りょーこ

昔々、アナトリアでのりょーこのレビュー・感想・評価

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)
4.0
美しく静かに紡がれる157分の物語

S・クレイグ・ザラー監督のバイオレンス無し版て感じ?

バイオレンスな描写や衝撃的な出来事は何も起こらない。
これはもうその事後のお話。

でも全く飽きさせないのは、随所に見られるヒューマンドラマと美しい風景のおかげかも☆



ある晩。
3台の車が田舎道を走っている。

男が遺体を埋めたと証言したので、それを掘り起こしに来たのだ。

車中では固い水牛ヨーグルトの話、頻尿の検事、子供の病気、ある女性の死因等がゆったりと流れる。

しかし遺体が見つからない。
疲れ果てた一行は近くの村へ。

村長宅でご飯を食べたり話をしたり、娘の美しさにうっとりしたり。

そしてついに遺体の場所を発見した彼等は……



何気ない会話が心地好い。
強風や葉の舞う音も。

それぞれに思いも悩みも過去もあり。
それが会話に少しずつ滲み出る。

何かが解決する訳でも、誰かが救われる訳でもない。
所詮人間、生きて死ぬのみ。

この物語もいつかこうして語り継がれるかもしれない。

昔々、アナトリアで……
りょーこ

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