美しく静かに紡がれる157分の物語
S・クレイグ・ザラー監督のバイオレンス無し版て感じ?
バイオレンスな描写や衝撃的な出来事は何も起こらない。
これはもうその事後のお話。
でも全く飽きさせないのは、随所に見られるヒューマンドラマと美しい風景のおかげかも☆
ある晩。
3台の車が田舎道を走っている。
男が遺体を埋めたと証言したので、それを掘り起こしに来たのだ。
車中では固い水牛ヨーグルトの話、頻尿の検事、子供の病気、ある女性の死因等がゆったりと流れる。
しかし遺体が見つからない。
疲れ果てた一行は近くの村へ。
村長宅でご飯を食べたり話をしたり、娘の美しさにうっとりしたり。
そしてついに遺体の場所を発見した彼等は……
何気ない会話が心地好い。
強風や葉の舞う音も。
それぞれに思いも悩みも過去もあり。
それが会話に少しずつ滲み出る。
何かが解決する訳でも、誰かが救われる訳でもない。
所詮人間、生きて死ぬのみ。
この物語もいつかこうして語り継がれるかもしれない。
昔々、アナトリアで……