半兵衛

ラブ・ハンター 恋の狩人の半兵衛のレビュー・感想・評価

ラブ・ハンター 恋の狩人(1972年製作の映画)
2.5
日活ロマンポルノが始まったばかりの状態でまだフォーマットが決まっていない試行錯誤の中製作された一作としては興味深かったけれど、別に大して面白くはなかった。伝説の映画監督山口清一郎の手腕も大島渚やゴダールの影響を受けた作家ということは理解できたけれど、難解かつ観念的な作風を真面目にやっているのでエロが悪い意味で文芸的なノリになってしまい冗漫で今一つ盛り上がらず。

それでも女体を赤を基調に美しくとらえた映像や、平凡な田中真理とインモラルな愛に苦悶しつつ性に奔放に生きる原英美との対比は良かったのでそれなりに印象は良かったけどね。

日活ロマンポルノ初期ということでスタッフにまだポルノを製作する恥ずかしさがあったらしく何人か偽名で参加しているが、なぜか音楽はこの当時高名だった真鍋理一郎氏が本名で参加しているのが不思議(ロマンポルノ作品では鏑木創=月見野太一と有名な音楽家は別の名前を使って参加するのがパターンなのに)。
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