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君が生きた証のdeenityのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.2
昨年見てたのにレビューし忘れてた作品。わりと個人的にはよくありがちなんですが、こういう作品ってレビューを忘れているほど印象に残らなかったってわけではなくて、いい作品だったからこそよく噛み砕いてからレビューしたいなって思っていて、結局それをしようとしようと思っていたのに忙しくて時間に追われていくうちに風化してしまい、結果あっさりレビューになってしまうという、まあ悪循環あるあるなんですよね。
だから本作自体はいい作品だったってことは声を大にして言いたいですし、ただし大にして言うほど鮮明な記憶はないままレビューしているということはご了承していただければ。
あと本作の特性上ネタバレはない方がいいと思うので、ここからは内容含むのでご理解ください。


主人公のジョシュは息子を学校での銃乱射事件に巻き込まれて以降、今までの生活とはかけ離れた生き方を送り、誰からも刺激をされないようひっそりと生活していた。
しかし、元妻から息子が生前遺していた荷物を預けられ、処分しようとした際に、息子が作っていた曲を聴き、もうこの世にはいない息子に寄り添うようにギターを手に取って歌い始める、というストーリー。

まあ違和感こそありはしましたが、この手の破壊と再生をテーマにした作品にワンアクセント加えることでこうも心に響くものがあるのか、というのは実感しましたね。
たとえば『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』とかも近しいテーマだとは思いますが、どこにアクセントを入れるのか、どういったアクセントを入れるのか、ってのが大事なポイントであって、本作は終盤に差しかかる辺りで根底から覆すような演出になってるわけですが、運びとして見事だったと思いますし、シンプルに辻褄が合ったことによってクライマックスに向けてテーマ性みたいなものの焦点が絞れたことが良かったように感じました。

だから概ね本作には満足だったわけですが、唯一しっくり来なかったのが、シンプルにあんま曲が良くなかったなーって思えてしまい笑
ラストの曲はもちろん歌詞込みで良かったんですけど、それ以外のところではたいしてこの曲良かったって思えるような曲があんまりなくて。ハマらなかったってことだと思うんですが、一応音楽映画ならば曲の良し悪しは作品の評価にも直結しますからね。
内容自体さして刺さりませんでしたが、『はじりのうた』なんかはキーラ・ナイトレイの屋上のシーンなんかがあるからグッと評価上がりましたし、そういう曲で引っ張るみたいな部分がない(ように感じた)のが残念でした。
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