Arlecchino

アフガニスタン/パトロールのArlecchinoのレビュー・感想・評価

4.2
アフガニスタンで、ある村の歩哨をする士気の上がらない6人の英国軍兵士。

味方のアフガン軍は全くあてにならない。最初は3日間の簡単な作戦だったはずが15日を越える長丁場に。メインであるはずの米軍は引き上げるが、さらにとどまって作戦実行中に見せかけろという上部からの命令。空軍の支援もろくにない。装備といえば粗悪ですぐジャムるロシア製銃弾と、旧式かつ粗悪で有名なSA80ライフル(世界の軍隊でも彼らとジャマイカの自衛隊しか使っているものはいないという)。強硬なタリバンの反撃もあり戦死者も出てしまう。なぜ、誰のために戦わなければいけないのか?フラストレーションは極限まで高まってくる。泣きながら従軍を拒む者も出てくる始末。命令する上官もつらい。従わざるを得ない部下もつらい。

有史以来、前線の兵士にいつでもある葛藤なのだろうとは思う。上官の命令は絶対なものだった。人権やアカウンタビリティ(説明責任)が問われる現代においても、その絶対性はゆらがないものなのか。わかっていて無駄に犬死ににいくべきなのか。そういった視点をうまくリアルなドラマに仕上げた秀作です。せりふ回しなどもよく、各キャラクターがすべて活きています。
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