レインウォッチャー

堕靡泥の星 美少女狩りのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

堕靡泥の星 美少女狩り(1979年製作の映画)
3.0
■RWと48の地獄㉟
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
こ、これは…これこそ本当の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』なのでは!?

自分の中に流れる悪魔の血と母への妄執に悩み囚われ、女を監禁調教することが使命のごとくやめられないリッチな青年。そして彼と心を通わす良家の娘。

この構図は『フィフティ~』と相似で、専用調教ルームを作っちゃうところなんかもごく近い。しかしながら常温水のようなおままごとが垂れ流される同作とは打って変わって、本邦は緊縛ならびに自慰&排泄鑑賞、からの三角木馬やバター犬まで、インモラル万博の爆笑パビリオン1番館。ラストの破滅ぶりも納得感がある。

それに、『美少女狩り』の看板に偽りなく、女たちはことごとくひん剥かれるわけだけれど、みんな裸体が美しい。脱いだときの方がいよいよ自信を増すように見え、ちゃんと魅力的に撮られている。
また、女だけでなく男(主人公)もそうで、これまたタイトルから連想するダビデ像を彷彿とさせる彫刻的な筋肉美を見せてくれる。

まさか遡ること30年以上、既にこんなところに答えが出ていたとは。
是非、今作を観て泡吹いてぶっ倒れるダコタ・ジョンソンを見てみたいものである。

さて、もし《ポルノ》の定義をひとつ挙げるならば、「本来あるべき手段と目的を逆転させていること」があると思う。
その点、この時代の日活ロマンポルノやピンク映画の類って、そこに擬態が含まれるというか、少なくとも擬態を試みているように擬態してるというか、そんな何ともいえないせめぎ合いがあって独特の魅力になっている。テーマとエロのニワトリタマゴだ。

果たしてそれは誰のための戦いだったのか、そしてそれは実を結んだのか、わたしには皆目わからないけれど…いつの世も、イノベーションってそういう狭間から生まれるのだよね、ということは確かだと思う。

一瞬トラック野郎役で出演している菅原文太が言うように「人生、勉強勉強ゥ!」なのだ。おかあちゃん、ぼく昭和がこわい。


□倒しかた
逆に言えば、今作を女性主権に取り戻したのが『フィフティ~』ともいえるかもしれない。
男が『フィフティ~』を、女が『堕靡泥~』を認めたとき、地上には真の平和が訪れるのであろう。たぶん、弥勒菩薩よりは後のことになりそうだけど。


□分類
チクタク前後カメラ放尿地獄


□取り戻したパーツ
さくらやの会員証


□次回予告
衷心愚羅!47R●●●N!
>>To Be Continued...

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for ろく様 ありがとうございました!
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