【昔むかし、ある島国にキリシタンがいた】
クリスチャン2世でスコセッシの大ファンな自分にとってはマスターピースみたいなものになってしまった作品。
スコセッシがニューヨークのリトルイタリーで少年期を過ごしてから今に至るまで、どういう信念や信仰を持っていたのかを痛感させられる。
この映画に興味を持ったのであれば、スコセッシの『ミーンストリート』と『最後の誘惑』、1986年の『ミッション』、そして1973年版の『ジーザスクライストスーパースター』も見てほしいです。
また、ロドリゴから見たモキチやイノウエ様は『プラトーン』のエリアスとバーンズにそっくりだとも思ってます。
彼らがそうだったように、二人はロドリゴの心の中でいつまでも闘い続けるのだろう。
そして僕の中でも。
僕が一番気に入っているシーンは、二人が日本に始めて上陸した際に村の人からとても質素な食事をいただくんだけど、はじめのお祈りをド忘れていたあの場面。
忘れることよくあるんだよなあ。
何者にも耐え難いものを探りこんでくれる傑作であり、僕にとってとても大切な作品だ。
「教会では罪は贖えない。
我々は街や家庭で罪を贖う。
それ以外はまやかしだ」
ミーンストリート
「どこへ行く?」
「教会だ」
「教会?」
「笑うな、今に分かる」
「見てろ」
アイリッシュマン