ししまる

ニュースの真相のししまるのレビュー・感想・評価

ニュースの真相(2016年製作の映画)
4.0
◼️概要
2015年米豪のドラマ。2004年、米CBSのプロデューサー、メアリーは当時のジョージ・W・ブッシュ大統領がベトナム戦争派遣を免れるためコネでテキサスの空軍州兵に合格、かつほとんど訓練に来なかったと、ダン・ラザーがキャスターを務める看板報道番組「60ミニッツⅡ」で報道。ところが、保守系ブロガーや他メディアは証拠となる、いわゆるキリアン文書は70年代当時のタイプライターでは作成できないなどとして偽造と断じ、CBSを攻撃、キャスターのダン・ラザー降板の形で決着した。
◼️キャスト
メアリー:ケイト・ブランシェット、ダン:ロバート・レッドフォード、番組スタッフのマイク: トファー・グレイス、番組スタッフとして加わるロジャーズ中佐 :デニス・クエイド、番組スタッフのルーシー: エリザベス・モス、CBSニュース社長:ブルース・グリーンウッド
◼️メモ
原題は「Truth」。メアリー・メイプスの回顧録「大統領の疑惑」が原作。ダン・ラザーは「映画の描写は正確なものが多かった」とする一方、CBSは「事実を歪曲しCBSの報道部門社員を侮辱している」として本作の広告放映を拒否した。
社外調査では「メモが絶対に偽物だとは言えないが、あいまいさが残るままで放送に踏み切った」と結論付けられた。
製作費960万ドルに対し世界興行収入556万ドルと興行的には失敗。批評家は、真相の解釈を巡り賛否が割れている。
◼️感想
個人の回顧録がベースという時点で一面的であり、ダン・ラザーってレッドフォードが演じるみたいに優しい人格者のイメージがないし。
ただ名優たちのおかげでエンターテイメントとしては見応えがある。当然ながら逆転劇はないが。
最も重要なのは、誤報騒ぎで全員の注目が文書の真偽に集まり、肝心のブッシュの軍歴がうやむやになってしまったことだろう。
結果として、この一件がメディアに対する信頼低下に拍車をかけたことも忘れてはならない。ただその責任は番組なのか、CBSなのか、政権なのか、あるいは視聴者なのか。
✳️再観賞(①2017/5)
ししまる

ししまる