ラスト、リュファンの心の叫びが胸を抉る。簡単なことなのに、緑のジャージを着て、「ただいま、母さん」って言えばいいだけなのに、この子たちにはそれが出来ない。そう育てられたから、心から楽しむことも恐怖さえも教えられないまま、ただ祖国(と母親)の為に生きてきた。彼らの夢が叶いますように。
こういう切ない話好き。
おバカな青年を演じ韓国に潜入するよう命じられた北朝鮮のエリートスパイのリュファン。彼は過酷な訓練を受けた特殊部隊の人間だ。
潜入開始から2年、町の人たちの呑気さ、温かさに触れてリュファンは少しだけ怖くなった。自分が変わりそうで怖くなった。
リュファンなら大丈夫、変わらないよという思いと、もうとっくに変わっているんじゃない?という思いが私の胸の中でぐるぐる回る🌀
そんな時、党から待ちに待った命令が届く。そこに書かれた言葉は…。世界が変われば、彼らの立場も変わる。そんな不条理なことがあっていいのか⁈ ストーリーが大きく動き出す。もう笑いもほっこりもない、一瞬たりとも気が抜けない後半でした。
何故、韓国に潜入させられたのか、ずっと疑問だった。その理由を知った時、煮えたぎるような怒りを感じた。悲しいよ、悔しいよ、そんな理由で若者の未来を奪うな!
下宿先の親子、口は悪いけど、いい人たちで、ラストはずっと涙腺崩壊。