★ 普通に生きていられることの有り難みを、これほど切に感じさせるストーリーはない。
知的障がい者が知能を手にした先で見た世界。そして再度退行していく知能の中で失った、人間として生きる喜び。
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人と会話をして、友だちをつくり、好きな誰かと恋をする。
勉学に励み、色んな知識や経験を積み、外の世界を知る。
愛する人と結婚し、家族を守るために仕事に励み、社会的な地位を得る。
———これらの人間的体験すべてから締め出されるとしたら、果たして希望など持てるだろうか?
このストーリーは、知的障がい者である主人公を通して、『家族や恋人と愛し合えること』『友人と会話すること』、そして『学ぶこと』の素晴らしさを残酷に教えてくれる。
切なすぎるストーリーかもしれないが、きっと見終えた後は前を向いて人生を生きようと思える。そんな映画だと思う。
※ちなみに原作となった小説が、凄まじく感動する。これまで数百冊以上の小説を読んできたが、間違いなく一番の傑作だと言える。