ヒデ

オマールの壁のヒデのレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
3.8
「恋人と二度と会えなくてもいいのか?ここから出たいのなら、仲間を売れ。イスラエルのスパイになるんだ」

イスラエル兵を撃った容疑で捕まったパレスチナ人が、過酷な拷問と懲役90年を免れるため、秘密警察に加担してしまう話。

恋人と結婚するためには恋人の兄を裏切らなければならないという設定が皮肉。

パレスチナ問題を扱った作品でもあり、イスラエルの入植の酷さやハマス(パレスチナの抵抗勢力)の考えをリアルに感じられる作品でもある。彼らに自由と人権などなく、分離壁の中で日々もがき苦しむ。

イスラエル占領下で生きる若者たちの青春群像劇は、こんなにも哀しい。


以下、セリフメモ。


「ナディアが好きか?俺は死ぬほど夢中だ」
「タレクに殺されるぞ」

「石がある。あの上に立て。ただし今度は片足だ」

「遊びじゃないんだ。見学してても戦士になれんぞ」

「秘密警察だ!逃げろ!!」

「誰なんだ?撃ったのは?」

「ハマスの一員だ。お前の組織は?」

「一つ警告しておこう。用心しろ。これから過酷な日々が待っている」

「最初は友達を送ってよこす。奴らの飼い犬が近づいてきて秘密を打ち明ける。君は信頼して自分の秘密を話す。だが男はそれを録音してる」

「いいか。誰にも何も喋るな。喋らない限り刑罰は降りない」

「自白すると、心が折れて奴ら(秘密警察)に依存するようになる。そして"協力者"に変わる。絶対にそうなるな。引き返せない」

「"絶対に自白しない"。法廷はこれを自白と見なす」

「私は力になれない。ただし、"協力者"は別だ」

「刑罰は?」
「最低でも懲役90年」

「何か打つ手立ては?」
「占領が続く限り何もない」

「なぁオマール、恋人がいるだろ?我々は知ってる。君らを一緒にしてやりたい。だが協力を断れば君の人生は地獄。彼女の人生もだ」

「期限は1ヶ月。成果がなければすぐになここへ連れ戻す」

「私も手紙を書いた。逮捕後から眠れなくなって。恋の苦しさを初めて知ったわ」

「スパイがいる。ネズミ一匹で破滅だ」

「タレク。ナディアをくれ。結婚したい」
「この作戦が成功すれば疑いは晴れる」

「この冗談を?若者が宗教指導者に尋ねた。"エルサレムを解放したら、敵の女とイケナイことが?"─"やりなさい。私ともできる」

「(秘密警察を)おびき出して待ち伏せだ。いいな?」

「たとえ火星でもあなたとなら暮らせる」
「火星は遠い。地球で暮らそう」
「あなたと一緒ならどこでも」

「1ヶ月でタレクを引き渡すのは無理だ。タレクが疑う」

「裏切り者って噂が…。友達が信じてる。釈放されたから」

「アムジャドと何をしてた?」
「アムジャドがあなたはスパイじゃないって」
「疑ったんだな。裏切り者は死ぬ」

「アムジャドも妹を。作戦が終わったら奴に話す」

「出し抜こうと?この俺を?ふざけた野郎だ!」

「そしてお前の可愛いナディア。彼女の秘密も知ってる。いつでも娼婦にできるんだぞ」

「どこでアラビア語を?アラブ人と思った」
「本当か?訛ってないかな?」

「最後のチャンスをくれ。思い知った。ここにいたら死ぬ」

「どこにいようとこれで追跡してる。外すには足を切断するしかない。タレクの首を持ってくれば外す」

「最後のチャンスだ。失敗したら生まれたことを後悔するぞ」

「愛に懸けてスパイじゃないと誓って」

「仲間を裏切ったな!俺とナディアのことはお前しか知らない。白状しろ、出なきゃ今ここで殺すぞ。タレクが犯人だとお前が言ったんだ!」

「はっきり言え!ナディアについて何を喋った!」
「妊娠させた」

「中絶しなきゃ二人とも殺される。秘密警察に脅された。協力しないと暴露すると」

「タレク…アムジャドが過ちを…」

「殺してやる…!ナディアはどうなる!!」

「タレク…タレク…」

「二人とも実によくやった。何か欲しいものはあるか?」
「何もいらない。2ヶ月死体を隠してくれ」
「なぜ2ヶ月?」
「汚名をそそぐためだ」

「ナディアをアムジャドの嫁にしてくれ」
「タレクの許可が…」
「すでに話してタレクも賛成しています」

「なぜ(タレクを失って)泣く。お前のせいだ。今後俺たちは他人だ」

「(次のターゲットは)旅団のリーダーだ。君に選択肢はない。彼は君を嗅ぎ回ってる」

「…求婚してくれなかった」
「なぜあいつと?」
「嫌われたと思ったの。絶望して。人生が重くて」

「犯人はタレクじゃない。銃を渡せば真犯人を渡す」

「まず第一に、拳銃は女のようなものだ。優しく扱えば優しく応える」

「ラミ。猿の捕まえ方を知ってるか?」
ヒデ

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