イタリアが誇る新鋭アリーチェ・ロルヴァケルの2作目は、「幸福のラザロ」でも示されていたネオリアリズム回帰、巨匠たちに通じる風格漂う作風がすでに確立していた才気漲る意欲作。
トスカーナ地方の陽光が降り注ぐ家族で営む養蜂園。そこで自由気ままに暮らす4人姉妹、そこに転がり込むひとりの問題児という異物。さらに突如として、違和感なく放り込まれる圧倒的な存在感のあるモニカ・ベルッチとの融合。
家族と外の世界から隔絶された、ノスタルジックとファンタジーの融合、素朴で起伏のないストーリーなどが醸し出す心に残る映画に無限の可能性をみた。
カンヌ映画祭審査員特別グランプリ。