宇宙客船が事故で爆発！間一髪救命艇に乗り込んだ人々だが、艇内で奇怪な変死が続き...

ヒッチコックの「救命艇」が原作で、舞台を宇宙に置き換えたバージョンです🎬
サスペンス要素とサバイバル要素が融合した面白い一作です🚀

　ヒッチコックの『救命艇』の、舞台を宇宙に置き換えたリメイク作品。
　『七人の侍』→『宇宙の7人』もアリなんだから、まあ、これもアリでしょう。

　大型宇宙船が突如爆発。かろうじて救命ポッドに乗り込んで脱出できた、数名の男女。しかし、宇宙船の爆発は故意によるもので、あろうことか脱出した者の中に犯人がいることがわかり……というような話のSF密室サスペンス。

　犯人が誰だかわかるシーンが印象的。あの状況になったら、さすがに条件反射でサッと動いちゃうよね……。

　低予算ながら、密室サスペンスものとしては十分な出来。個人的にはもっと多くの人に観てほしい、隠れた名作だと思っている。

2169年のクリスマス・イブ。地球に帰還中の巨大宇宙船が爆発。9名の人間だけがライフポッドで脱出するが、爆発は故意に起こされたもので9名の中に犯人がいることが分り…というストーリー。
アルフレッド・ヒッチコック監督の「救命艇」を宇宙を舞台にリメイクしたSFサスペンスです。オリジナルは未見なのでどう改変してるのかはわかりませんが、本作は基本的にライフポッドの中だけで展開される密室サスペンスになってます。
宇宙船で異常が発生して舞台がライフポッドに移るまでがテンポが速いですね。宇宙船やライフポッドのCGはチープな所はありますね。
登場人物たちも脱獄囚ややたらビデオを回す女ジャーナリスト、偉そうな会社の理事や過酷な金星で育った医学生など一癖あるキャラが多いですね。そんな中で常にみんなの安全を守ろうとするサイボーグの小人の技術者とCCH・パウンダー演じる放射能で被爆しながらもライフポッドを飛ばし続けるパイロットの存在が一際輝いてた気がします。そんな彼らの中に爆破を起こした犯人がいるかもしれないという疑心暗鬼のドラマも繰り広げられます。ほぼ全員に一応動機があるんですよね。でもその犯人捜しのドラマよりも酸素が不足して冷却装置の電力を循環装置に回して酸欠から抜け出る代わりに灼熱地獄に見舞われたり、冷感地獄に見舞われたり、犯人が水を機械オイルで汚染して水を飲むのが危険になったりと刻々と悪化を繰り返していく極限状況でのサバイバルの方に力が入ってますね。循環装置が復活して酸素が入ってきて皆換気装置に集まる所や補給ポッドを見つけた時の希望と絶望が交互にやってくるシーンは凄く印象的でした。
登場人物たちの関係や印象がサバイバルの中で変わっていくのも良かったですね。
犯人が明らかになるシーンはちょっと唐突な気がしましたね。でも、ヒロインが録画してた手術の映像で犯人の〇が○○ていたことが明らかになるシーンはちょっと「お！」と思いましたね。そこからの犯人が本性露にする所で頑張ってたレナ達がアッサリ殺されるのは悲しかったですね。
低予算の映画だとは思いますが、見応えのある密室サスペンスになってたと思います。やっぱりオリジナルがいいからでしょうね。「救命艇」も見てみたくなりました。