ちろる

不機嫌なママにメルシィ!のちろるのレビュー・感想・評価

不機嫌なママにメルシィ!(2013年製作の映画)
3.4
不機嫌なママに愛されたくて愛されたくて、いつもママを観察してた青年は、いつの間にか女の子みたいな仕草や喋り方になっていく。
ママは、お兄ちゃんたちと共に僕を呼ぶ時、男の子たちとギョーム!って呼ぶ。
要するに家族もギョームを男の子だって認めていない。
そんな彼は学校ではいじめられて、留学先のイギリスでは、初めてときめいた男子に失恋し、、、
愛される経験がないままに大人になって本当の自分を探す旅に出る。

ギョームはめちゃくちゃ優しい子
ママのことを見つめすぎて
人の気持ちを汲み取りすぎて、自分を見つめることを蔑ろにしてしまった。

そしてそこから膨大な時間をかけて、かけてたどり着いた自分は、家族も、本人も知るよしもなかった自分だった。

作品は、舞台の一人芝居上でギョームが語る独白劇で、が映画映像として観客が観る、という形態なので、ギョームが体験&妄想を喋りまくる面白い作り。
子供にとってママという存在は一番近くて、そして愛したい存在で、そんなママを真似したギョーム。
そんなママの真似をしたからって絶対にゲイになったりおかまになったりするわけじゃない。
人ってけっこう、仕草とか喋り方で他人のセクシャリティを決めつけがちなんだなぁって思いながら、劇中劇の中でたどりついたギョームの長い旅の終わり。
不機嫌なママが笑顔に変わる瞬間、それは家族が本当に分かり合えた瞬間だったのね。
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