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仁義なき戦い 代理戦争のAutomneのレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)
4.4
仁義なく、我欲と政争に明け暮れるヤクザ同士の中にあって、広能の義理堅く筋を通そうとする格好良さに痺れる。
本作の制作された1970年代は人々が豊かになり、地域や村などコミュニティを優先する人間から、個人主義で拝金で己さえ良ければ、という今につながる人々への交代がはじまったタイミングと重なっているのではないでしょうか。
果たして、こうして後者に託された日本の現在(2024年)が私たちの生きる毎日であります。バブルを経て山守のごとく調子乗って胡座かいてる人々が経済の中心になった途端に世界第4位です。そのような物悲しさをうっすら感じました。時代背景的にも、当時の日本にはまだ広能のような人間(おそらく戦争経験者や戦前の人々)はすこしは存在していたのであろうな。
「仁義なき〜」シリーズは時代性もそうだし、コンテンツとしても 時代劇や人情劇▶︎▶︎▶︎現代の人間ドラマ への橋渡しに位置している気がする。現代の"推し"文化につながるような「誰々が〇〇するから良い」みたいなところは時代劇によくある要素であって、もっと遡ると江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎、鉄板の原作がありみんな物語を知っているから物語よりもキャラクター性でみるという文化を無意識のうちに日本人は体得しているのではないでしょうか。
ほとんどレビューからは外れているので、作品の話に戻るとスマートにクリティカルにそれでも仁義はなく戦ってる様が面白かったです。長文でお目汚し失礼しました。拝🙏
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