濱口竜介の短編集として、「friend of the night」「はじまり」「遊撃」「明日のキス」の4本を観賞。
friend of the night:
女友達の「怖い話」によって明かされる、少女時代の残酷さ。そしてその残酷さを未だに捨てていない、という話。この話のほんとうの怖さは、おそらく車の中で話したであろう一言が(あくまでも比喩としてだが)本当で、続きとして話された物語が全くの嘘であった点ではないか。他の解釈も可能だと思うけれど。
はじまり:
受験生のある関係のはじまりを描いたかと思いきや、それは背後で既に崩壊している。friend of the night の残酷さにも通じるものを感じた。しかし序盤で現代詩めいたものを朗読するシーンがすごい。あの前後ワンカットなんですよね。
遊撃:
差別をテーマに撮った作品とのことで、ある男が男に告白するけれど、それは男だから断ったのではない、という切り口は今となっては新鮮みを感じるものではなくなってしまったように思う。
明日のキス:
3分11秒のショートフィルム。ビンタの応酬で笑う。