meltdownkoさんの映画レビュー・感想・評価

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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.0

セジウィックの「男同士の絆」の中で、2人の男性がひとりの女性を取り合うのはその女性を通じて相手の男性を見ているのだということが書かれていて、そんなことを思い出しているとあのキスシーンである。ルカ・グァ>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.5

で、お前らはあの家族と何が違うの?と言っている。

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.0

これグザヴィエ・ドランの mommy の変奏なんじゃないかと思っている。私自身の嫌な記憶が呼び起こされてしまい観ていて辛かった。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.0

伏線を回収する段でようやく物語が動き始めるにしてもそれまでの展開が間延びし過ぎだし、あくまでも鍵括弧付きの「異常性欲」の描き方に物語のフック以上のものを読み取れなかった。バケモンにはバケモンをぶつけん>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.5

あらかじめ決定された生き方が本人の幸福に結びつかない、というのは昨今の映画におけるスタンダードになっているのだろうが、それを踏まえなくてもこの映画に出てくる「呪われた家族」というフレーズにおいて誰が家>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.0

男たちからの扱われ方にはじまり、ある「欠損」などこの映画はエイダとピアノを始終リンクさせ続けているのだが、ある時点で唐突にそのリンクを切り離すことでエイダ自身の変化を示しているように思う。率直に言えば>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

1作目でティモシーシャラメの PV などと言ってしまい申し訳ありませんでした。私からは以上です。

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.5

メイクが自分自身を見ないようにするための鎧であったとすれば、語りとともにメイクが剝がれていくダグラスの回想がそれ自体セラピーであった気もして、最後まで寸足らずに見えるドクターのエピソードは伴走者として>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

今作では3時間ずっとちいかわが見る悪夢みたいな映像を見せ続けられるのだけど、これまではたとえばヘレディタリーの家族の描き方であったり、ミッドサマー序盤の車中のシークエンスなど、アリアスターはいつもどこ>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

これ何作で完結させる気?ラッコ鍋はちゃんとやるんですか?みたいな疑問はありつつもちゃんとアイヌ文化に対するリスペクトが感じられてよかった。導入部分の刺青の人ちょっと情緒不安定すぎないかと思ったけど原作>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

邦画でありがちな一人称ナレーションの排除と、物語の再解釈のために原作尊重しながら設定変更してたの普通にえらい。ていうか映画観たあとに原作読んだんだけど、映画は意図的に BL に寄せてると思う。齋藤潤が>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.5

まとまった文章が書けないので箇条書きにします。

・現実と空想のあわいの描き方なども含めて「この世界の片隅に」っぽい。片渕須直が関わってるのかと思った。
・多動でかつ鉄道に興味を示すなど、最初から徹子
>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.5

ミアの部屋で行われる出来事についてはもはやホラー映画のテンプレートだとは思うのだけど、ストーリーテリングがうまい。できごとを反復させることで映画内のエピソードを串刺しにしていて、95分の中でちゃんと遠>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

さして汚れていないトイレを必死に磨き、人生で大事にしてきたものたちを若者から肯定され続ける様子が、どこか老年男性の見る末期の夢のような空気を纏っていて、その漂白された世界がオリエンタリズムのエクスプロ>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

始終画面が分割されているのだけど、デパルマ的な表現というよりかは、人間の相容れなさというか、人間たちがそれぞれに孤立する姿を映しとるための手段としての分割であったように思うし、人間の描き方がハネケのよ>>続きを読む

Winter boy(2022年製作の映画)

4.0

序盤の5分でこの俳優を撮るぞという意気込みを感じることができ、途中の展開からはちゃんと映画を撮れていた頃のグザヴィエ・ドランを思い出してみたりもして、ドランほど映像にパラメーターを振ってはいないとはい>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

4.0

登場人物の誰の戦争も終わっていない。塚本晋也によるゴジラ-1.0の拡張じゃん、とか思った。

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.5

実質ブロークバックマウンテンじゃない?とは思うのだけど、毒親の解像度の高さとか、トトの未分化な感情とか、主人公2人以外の人間をちゃんと描いているのがえらい。映画館に貼ってあった映画評に、最後もうちょっ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.5

いわゆるセクシャルマイノリティがもはやマイノリティなのか徐々に怪しくなってきたところで概念の拡張というか一般化を試みていて、「普通」の家庭や「普通」のセックスを相対化していく過程に溜飲が下がる。これま>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.5

MCUの映画が105分というのに驚いたというのが正直なところではあるのだけど、映画としてはキャラクターのイントロダクションのようなところがあって、そもそも105分ですら尺を持て余したかのように小ネタを>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

一見したところ家族愛でコーティングされた物語に見えてしまって問題設定の目くらましの仕方がうまい、確かに根本の問題そこだよな、ってなる

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.0

コワすぎシリーズを見ないでいくのはおすすめできないし、カメラを持って爆走したりするので三半規管の弱い人が死んでしまう映画ではあるのだけど、私はこの映画を見ながらぼんやりと広瀬正を思い出してみたりもして>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.0

バービーランドが現実の裏返しとしての女権社会となっていて、そうしてみればこの映画は単なる添え物でしかないケンの物語なのかと思ってみたりもしたのだけど、最終的な落としどころとしてバービーは置いておくにし>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.5

種族間の分断、移民への差別・見下し・マイクロアグレッション、移民側からの偏見、階級差による無神経、毒親、と矢継ぎ早に課題をぶち込んできて見た目にそぐわず容赦がない。

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

エズラミラーを見たかっただけなのでその他はどうでもいいといえばどうでもいいというのが本音であったりするのだけど、最初のミッションから既にポーズがださすぎて苦笑してしまう。要はスパイダーバースのタームで>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

世界の操作と決定論の話をしていて、同じ日に観たフラッシュと同じことやってんなという印象にもなってしまう。こちらは前編という位置づけなので、もしかすると総体としての何がしかを語るべきではないのかもしれな>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

-

いい映画だとは思うのだけど、ふと立ち止まって考えてみた時に、劇中で明かされるある出来事についてそれを映画のフックとして成立すること自体が私たちの暮らす社会の未成熟を示しているような気にもなるし、映画の>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.5

それじゃあ男がみんな「止める側」として描かれているジェンダーバイアスについては不問にしていいのかという疑問もあったりはするのだけど、それ以前にそっちサイドの登場人物全員に脳が入っておらず、敵をバカとし>>続きを読む