絵描きのマーガレットは隣で絵を売っていたウォルターと結婚します。ひょんなことでマーガレットの絵が注目されますが、ウォルターが自分の絵と偽って販売していき、という話です。
世間知らずなマーガレット。ウォルターのような軽い人は信用しづらいのが最初の印象です。マーガレットの友人と同じ気持ちでマーガレットを眺めます。
酒場のトイレから大成功します。売れたので二人で意気投合かと思いきや、マーガレットが自分のものと言えない辛さが伝わります。芸術肌であったとしても口が下手であれば、話が大きくならないだろうと思ってしまうと思います。
映画の中がずっと嘘なので息苦しく、気持ち悪いです。芸術家の気持ちはわかりませんが、自分の絵が単にチラシや別の商品に使われるだけというのは面白くないでしょう。しかも自分への断りもないわけですから。
どんどん話が大きくなっていきますが、マーガレットのちょっとした発見でウォルターの本性が出てきます。ウォルターの言うことはもう何が本当で何が嘘か分からなくなっていき、怖くなっていきます。
マーガレットが告発を始めた理由が面白いです。特に、カトリックの神父はウォルターに手を回されているのではないかと思えるような対応をしました。エホバの女性は女性の味方だったのでしょうか。これで変な活動家が増えないといいのですが。マーガレットが最初から最後までピュアで世間知らずであることを物語っています。
ウォルターは弁が立つので、裁判までなってくると、胡散臭さが激しいです。今回は絵なので、裁判での証拠はわかりやすくてよかったです。百聞は一見に如かずですね。これが見せられないものだと厳しいですね。
今だったら女性の権利も高まってきているし、シングルマザーも増えてきているので、状況は変わるのでしょうか。ウォルターやマーガレットのような人は一定数はいるでしょうが、助けてくれる人や見破る人は増えているかもしれません。
ウォルターの口や話の作り方、演技の上手さ、マーガレットの何も言い返せない世間知らずさが良く演じられていたなと思いました。
ゴーストライターの気持ちが分かりますが、ゴーストライターも口下手、目立ちたくないのであれば、好きでやっている人もいるのかもしれません。でも、よくよく考えるとウォルターが販売に特化して、妻の作品ということにどういう問題があったのかわかりませんでした。男が持つ有名になりたいというプライドといったところでしょうか。