レビューはあまり書いてないですが、日本の時代劇がだーい好きです。
大河ドラマは観ず歴史には詳しくもないのですが、エンタメとして時代劇映画をよく観ます。
渋い浪人とか追われる抜け忍、痺れますー☆
この映画は題名から渋くてヒリヒリしたものを想像してましたが、実際はドラマパートが多く落ち着いたものでした。
とても良かったです。
泣けました。
主君の井伊直弼が暗殺された際、警護を担当していた侍が主人公で中井貴一さんが演じています。
仇討ちを命じられ、明治に時代が変わり時代遅れと言われながらも、仇を探し続けます。
ラストに向かうにつれ、主人公の心の旅に付き合う心情になって来ます。
正義の逆もまた正義なのではないか…。
でもそれを認めると自分の生き方、人生を否定する事になる…。
そんな答えの出ない問いに向き合う。とても辛いです。
はじめのうちは、画に渋さが無くテレビドラマのような点や子供や人間関係についての演出もベタな部分が見受けられ、少し興醒めするところがありました。
ですがですが、クライマックスでの主人公と阿部寛さん演じる仇が会うところからは素晴らしかったです。
2人の言葉のやり取りに涙が止まりません。
実は2人の境遇には共通のところがあり…号泣してしまいました。
そんな2人が最後に下した決断は…。
まさかのものでした。
主人公は律儀な侍そのものですが、繊細さや温かみが随所に現れます。中井貴一さんの人柄が透けて見えるかの様な演技は素晴らしかったです。ハマり役でした。
孤独で真っ直ぐな性格の仇役の阿部寛さんも良かったです。
観て損は無い傑作だと思います。
涙もろい方はハンカチを用意してご覧下さいませ。