ペコリンゴ

クライム・オブ・パッションのペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.4
記録
とある女の昼の顔と夜の顔。大人のオモチャ片手に忍び寄る聖職者の強烈さ。

いや、とんでもない映画だなw
なんか冗長だし、そこまで面白いとは思わないけど、高めなキワモノ度が印象的なエロティック・サスペンス。
随所に挿入される春画や変態チックなアートが印象的。

昼はデザイナー、夜は高級コスプレ娼婦”チャイナ・ブルー”として二つの顔を使い分けるジョアンナ。妻とのセックスレスに悩むボビーは探偵として彼女に接触する。その一方、執拗にジョアンナに付き纏う牧師が一人。果たして彼の目的とは…

公開当時まだ30才であったキャスリーン・ターナーの体当たり演技は見事だ。まだ若い身空で、変態プレイに興じる娼婦役を引き受けるなんて、さすが向こうの役者は心構えが違うと思わざるを得ない。

だけど、そんな事を吹き飛ばしちゃうくらいに、牧師役のアンソニー・パーキンスが強烈だ。ちょっとえげつない。元々甘いマスクだった彼は順当にイケオジになってるわけだけど、そんなの関係なく気持ち悪い。

巡航ミサイルみたいと称される、先の尖ったデカいバイブレーターや、手作り感溢れる”自動マスかき機”、”オッパイ型おしゃぶり”なんてグッズを持ち歩く牧師なんて、どうかし過ぎだろう。
「サイコ」を彷彿とせざるを得ない壮絶なラストも圧巻だ。

そんなド変態を遺憾なく演じたパーキンスが個人的MVPなんだけど、たいして面白くもないボビー探偵が締める割合が多いのが一番の不満。主役のドラマが面白くないんだよね。

攻めてる割に残念、そんな印象の作品でした。