爆裂BOX

グランド・クロス シード・オブ・ディストラクションの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
"エデンの種子"と呼ばれる古代植物が急速に繁殖を始めた。アメリカ中が瞬く間に巨大植物に覆われる中、植物学者のジョスリンは、種子を蘇らせたのはかつての同僚フレーム博士だと知り研究所に向う…というストーリー。
古代植物の猛威が人類を襲うSFパニックです。「グランド・クロス」シリーズの第三弾とされてますが、内容的な繋がりはないです。監督は「ジュラシック・レイク」や「メタル・トランスフォーム」のポール・ジラー。
ネバダ州のゴミ処分場でゴミの不法投棄を捉えようと監視していた環境保護活動家たちが偶然ある取引を目撃する。取引の材料は死海文書にエデンの園と記された場所から発掘された古代植物の種子だったが、ふとした切欠で地面に落ちた種子は驚くべきスピードで成長して巨大化し、大地を破壊していく。協力を依頼された植物学者のジョスリンは、政府機関の捜査官と共にかつての同僚フレーム博士の研究所に向う、という内容です。
巨大成長する植物による災害パニック映画ですが、今作に登場する古代植物は有害物質を除去して、葉が傷口に触れると再生したりと奇跡の効果をもたらしますが、研究所から持ち出されて汚れた現代の空気や土壌に触れたせいで急成長して大地を割りながら繁殖を続けていきます。同じようなコンセプトの「ディストラクション 合衆国滅亡」と比べると、本作の古代植物は人襲ったり攻撃するわけではなくてただ繁殖するだけなので、あちらにあった人体に植物が寄生して植物生えてくるといった描写もないです。まあ、デカすぎて繁殖スピードも速すぎるので大迷惑になっているんですが。植物のCGは安っぽさはありますが、TVMと考えたら頑張ってる方かな。大地を割って現れたり、ミサイル攻撃してきた戦闘機が覆いつくす植物にぶつかって撃墜される所は一番の見所と言えるんじゃないかな。町を襲うシーンもありますが、ちょっとしかないですし、そもそも予算の関係か植物のシーンが少ないのは残念でしたね。
偶然取引現場と巨大植物出現の場面に遭遇した環境保護活動家のカップルと女性学者と政府機関の捜査官の二つのドラマが同時進行していきますが、とにかく最初からテンポよく進んでいって両者どちらでも次々イベントが起きて、また登場人物も無駄に行動力があってテキパキと動き回るので最後まで飽きずに見る事が出来ます。ここら辺は流石ポール・ジラー監督という感じですね。
植物大暴れのシーンは少ないですが、それを補うように研究所の警備をしている傭兵達と主人公の銃撃戦が盛り込まれてますが、アクション的にはそんなに大したものじゃないです。
「24」のビル・ブキャナンを演じたジェームズ・モリソンが植物の研究してた科学者フレーム博士演じてますが、この人も絶対悪という訳じゃない所は面白かったですね。助手が勝手に政府との取引に種子持ち出したのが原因ですし、研究所守るために警備の傭兵に侵入者射殺命令出したり過激な所はありますが、事態知った後は食い止めるための研究してたり終盤でも解決の為にヒロイン達に協力したりしましたし。最後の最後に狂信者みたいになって暴走しましたが。
女性学者や環境保護活動家の女性も結構美人でした。
ラストの緑が広がっていく所は妙にキレイさあって良かったです。フレーム博士の研究成果横取りしたような感じだけど、ある意味博士の理想通りにはなったかな。
凄い見所がある訳ではないですが、この監督らしくラストまで安定して見れる作品だと思います。