このレビューはネタバレを含みます
母からの普通の愛が欲しかった少女と、娘を愛しているのに普通に愛することができなかった母の話。少女の心の傷は深く残る。その一方で写真に撮られたヴィオレッタの幼き顔と扇状的な表情のアンバランスさという倒錯的美しさに見惚れ興奮する気持ちもわかる。少女とエロチックな死の匂いに美しさを感じずにはいられない...けれどそれは芸術か?否。ラストシーン、ショートカットにして流行りのメイクをした普通の少女になったヴィオレッタ、コケティッシュからの脱却が彼女の幸せへの道になればと願う。
ヴィオレッタが母のスタジオで初めて着替える時パンツがずれていたところに今はあどけない少女の一瞬のフェチズムを感じた。