ほろでぃん

アマデウスのほろでぃんのレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
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就職してしばし忙しく、観たけどもレビューするのが遅れていた。昨年度は新作を観に映画館に行くことが多かったが、今年はちょっと頻度が落ちるだろう。代わりにささやかなホームシアターを作ったので、そこでの旧作鑑賞がメインになると思う。

また、新しい知人ができた関係で映画レビューは「映画.com」との複垢で行うことにした。同じアカウント名で本作「アマデウス」の劇場公開版から向こうにも投稿するので、複垢民の方はそちらもよろしくお願いします。

さてアマデウス。
高校生くらいの時にディレクターズカット版は鑑賞しており、殿堂入り作品に入っていたのだが、各方面から「ディレクターズカットの追加シーンは冗長で蛇足」と言う声も聞こえてきていた。

ニュー・シネマ・パラダイスみたいに殆ど別の映画やないかい!みたいなディレクターズカットは存在するので、アマデウスの劇場公開版も是非観なければならない。
しかし困ったことに、出回っている配信やソフトはディレクターズカットばかり。今回やっと吹替え追加収録版ブルーレイに付属する吹替コメンタリー付きDVDが劇場公開版だと突き止め鑑賞に至った。画質がだいぶ良くないが仕方ない。

さて結論から言うと、「ニュー・シネマ・パラダイス」ほど極端な変わりっぷりではない。というか違いがわかったのは、サリエリとコンスタンツェのシーンが短いなーという程度。他の追加シーンは鑑賞から10年くらいの間に忘れてしまったらしい。比較しているサイトで内容を確認してみても、「そんなシーンもあった気がしないでもない」くらいの印象であった。

以下ネタバレ

つまり監督には申し訳ないが、私の感想としてはシーン追加は要らんかったということになる。記憶に残ってないし。
あ、オッパイは要ります。あのシーンだけはコンスタンツェがサリエリをあれほど嫌う理由の説明に必要だしね。必要だ。うん。

さておき、何度観ても圧巻のラストシーンである。私はサリエリのようなストイックな人間でなければアーティストでもないので気安く「共感した」とは言えないが、しかし感じるものは大きい。

後世まで名前を残すことはアーティストの悲願だろうが、本作によって映画ファンの間に史実と異なる印象をバラ撒かれたサリエリさんはどう思っているのだろう。
サリエリさん単独でもそれなりに名を残しているらしいが、「アマデウス」が無ければ研究者しか触れない程度の存在だったのではないか。
幸い今はインターネットという弁護人が付き、本作が8割フィクションであるという情報もすぐ手に入る。正しいサリエリ像を覚えてくれる人も増えているだろう。
あの世で新参者に「あの映画のサリエリさん、全然違いますよね〜」とか言われるのも私だったら満更でもないかもしれない。少なくとも、自信作を弾いてみせてもポカンとされているよりは。
ほろでぃん

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