EDDIE

リトル・フォレスト 夏・秋のEDDIEのレビュー・感想・評価

4.3
自然の豊かな恵み。トマトは逞しく強いが脆い。都会の喧騒から逃げるように東北の田舎に帰ってきたいち子。自給自足の日々を送りながら自分と向き合っていく。自作の野菜や一つ一つの料理が美味しそう!

いまSNS界隈で問題になっている冷凍餃子は手抜きか問題。もうね、そんな時に打ってつけの作品がこれです。
田舎町での自給自足生活に橋本愛のような美女が絵的にどうなのか、そんな疑念はあっという間になくなります。もうね、この作品橋本愛だからできたようなもんです。
何せ私は橋本愛さんの勇ましいぐらいに潔い性格も含めて大好きでして、日々自然の厳しさと向き合いながら何とか踠いて一所懸命生きている姿が清々しいんです。
田舎の坂道を自転車こぐ姿も様になっているし、「あ゛〜!腰がやられる〜!」とか言いながら収穫作業してるのも彼女のパーソナリティも手伝って説得力があります。

まぁ作品自体は淡々と日々自給自足で作物を収穫してご飯を作る毎日を映し出しているだけなので、退屈な人には退屈な映画かもしれませんが、これほどまでに美味しそうな料理と逞しくも美しい橋本愛を堪能できる映画は私にとっては最高以外の何物でもありません。
ちなみに原作漫画を読んで映画化を考えたプロデューサーの守谷圭一郎は、いち子役を当初から橋本愛でイメージしており、「何かと必死に戦っている感じがした」とのこと(Wikipediaより)。

本作は「夏」「秋」の二部構成で、後編として「冬」「春」で締め括る四部構成の作品です。Netflixだと一部ずつ観ることができるみたい。
その中で先ほど言及した「冷凍餃子は手抜きか否か」問題に回答するかのようなエピソードがあるんですが、そこが私も結構お気に入りで。ちょっとネタバレ挟みますけど続けさせていただきます。

いち子が高校生の頃、毎日ご飯を作ってくれる母に向かって、「また炒め物〜?手抜きじゃん」的な発言するシーンがあるんですね。で、今のいち子が青菜炒めを作るときに、より美味しく食べるためのひと手間というのに気づいた時、あの時の母に対する手抜き発言が間違いだったことに気付くんです。
毎日家族のためにご飯を作ってくれてる母の存在。懸命に準備してくれてる母の苦労を知れば、手抜きなんて言葉言えません。冷凍餃子だって冷凍唐揚げだっていいじゃないですか、と。そう、私は声を大にして言いたい。
手作りは手間がかかるし洗い物も増える。揚げ物は油の処理だって大変です。そんな苦労を知っていれば手抜きなんて言葉軽々しく言えるわけありません。
もし自分で自炊ちゃんとしたことない人、家族の誰かが自分のためにご飯を作ってくれてる環境にありながらも感謝の言葉を口にしたことがない人などなど。
是非本作を観ていただいて、自戒の念を抱いて日々に感謝することをお勧めしたい!
そして何よりも橋本愛を愛でてください。彼女の行動一つ一つが絵になります。
私は何も考えずにぼーっとしたくて何か映像を流しておきたい映画No.1に輝きました。これから何度も観ることになりそうな作品です。

終わり方がまた次回が気になる感じでしたが、ちゃんとドラマとしても成立しているのでご心配なく。プライベートでも仲良しな松岡茉優が親友のキッコ役で出ています。あとトマトはハウス栽培できれば最強だということに気付きました。いずれ私もトマトは自分で作ってみたいと思いました。

※2020年自宅鑑賞238本目
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