やりたいこととできること。
グレタガーウィグの自伝的な映画。
不器用だけど一生懸命であふれんばかりの想いばかりがある。
その想いは身勝手に見えるけど純粋で、微笑ましい。
不格好に、ときには転んだりしながらも走り続けるシーンにそれが象徴的に映し出される。
フランシスは飾らないから変なやつに見えるし、実際変なやつなのかもしれないけど深く付き合ったら面白そうだ。
人間味にあふれていて温かみがある。
だけどなかなか理解されないんだろうなとも思う。
寂しさに追い詰められがちなパーソナリティを持っている人にとって、彼女の追い求める瞬間は本当に寂しさを感じなくていい唯一の瞬間なのかもしれない。
淡々と、そしてちょっとコミカルに進んでいくストーリーの中で彼女の感情をトレースする。
都会で夢を追いかけながらもなかなか上手くいかないもどかしさを体験する。
最後のシークエンスで部屋でのびのびしている彼女を見て涙が出たのだけど、その理由を言葉にする気になぜかなれなくて、少しの間だけでもそっとしておこうと思っている。