OASIS

ブルー2 トロピカル・アドベンチャーのOASISのレビュー・感想・評価

3.6
希少種であるアオコンゴウインコの冒険を描いた「ブルー 初めての空へ」の続編。
恋人ジュエルと結ばれリオデジャネイロで暮らしていたブルーは、自分と同じ種族の仲間が野生に存在する事を知り、彼らに会うためジャングルへ旅立つという話。
監督は前作と同じくカルロス・サルダーニャ。

全世界36カ国でNo.1の大ヒット!
・・・しかし日本ではDVDスルー。
前作も確かスルーだったと思うし「アイス・エイジ」の最新作やあの「ヒックとドラゴン2」でさえもスルーされたりとアニメーション作品が不遇な扱いを受けている現状は嘆かわしい。
「22ジャンプストリート」や「モンスター上司2」などのコメディは当然のようにスルーされるし、その上日本でも一定の収入が見込めそうなアニメ作品ですら公開されないとなると、じゃあ一体後にはなにが残るんだ?と。そのうちどの映画館も超有名作2本くらいしか上映してないというような状況になってしまうのが怖い...。

前作の最後で夫婦となったブルーとジュエルの間には三人の子供が産まれ、賑やかな仲間達に囲まれ、賑やかな街で賑やかな生活を送っていた。
ある日、ブルーの飼い主であるリンダとその恋人がジャングルで調査をしているとアオコンゴウインコの群れを発見したという情報が。
その情報を頼りにブルー達家族御一行は遠く離れたジャングルに向けて長距離飛行を開始する...。
軽快で陽気な音楽が常に鳴り響き、子供や悪役などの新キャラも増えて騒がしさが増し、画面はとにかく派手で明るい。
鳥達に限らずジャングルに住む動物達は何かにつけて唄い踊り、自分達の溢れんばかりの想いと情熱を迸らせるので、ミュージカル映画並みの楽曲量があり音楽による力が大きい。

群れの長である父と再会したジュエルはやがて野生の習慣に慣れ始めるが、都会からやってきたブルーは父に邪険にされ馬鹿にされて全く馴染めない。
お父さんに媚を売って気に入られようとしている彼女の恋人という痛々しくも切ない立ち位置のブルーを見ていると、とても陽気な気分にはなれず現実的な問題を突き付けられているように胸が痛む。
故郷に帰って来ると恋人は当たり前のようにその場に直ぐに溶け込んで行くし、仲が良い幼馴染が居て昔話に花が咲いてちょっと嫉妬したり、なんかそういう居心地の悪さだけは妙にリアルじゃない?と思ったり。

都会からやって来たブルー達と彼らに恨みを持つオウム達、ジャングルの木を伐採し地域開発を企む悪徳業者とリンダ達の調査隊という4組が入り乱れる構造はややこしくなりそうで忙しないが、整理されていて観やすい。
もともとブルー達が主人公なので人間達の描写はだいぶ比率が少なくなっていて環境破壊やらに対するメッセージは薄まっている感はあるが、動物達種族間の争いにしたってゆる〜い雰囲気だし、人間と動物の主従関係だってあるか無いかという感じなので、しがらみやらなんやらを忘れて開放的な気分にさせてくれるラテンのノリが良いカンジでキャラクター達をまとめていた。

新キャラクターの毒ガエルがその毒々しくてケバケバしい見た目とは反対に、オウムに対して一途なのでそのギャップが可愛いというかデザインも女性っぽくて良かった。
目がデカ過ぎだけども。
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