Ryutaro

プールサイド・デイズのRyutaroのネタバレレビュー・内容・結末

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

最高。

まず、ハワイの綺麗な景色もサムロックウェル演じるオーウェンも最高。

思春期にこんな一夏を過ごせたならまた違う人生があっただろうなと感じられる作品。

作品を通して、宇多丸さんがよく仰ってる、青春とは「可能性が広く開かれた」状態という言葉を思い出した。

あるコミュニティでは上手く順応できず、心を閉ざしてしまうこともあるかもしれないが、それは広い世界の中のたった一つの狭いコミュニティでしかなくて、そこから一歩踏み出せば世界は多様に広がっていて、必ず自分に合った場所を見つけられる(かもしれない)。

ダンカンはそれまでのコミュニティから自発的に抜け出し新たなコミュニティへ自分の足で踏み出し、それまでは知る由もなかった、自分を受け入れてくれて輝ける場所を見つけれたことが非常に勇気を与えられた。
もちろん言い方を変えれば、ダンカンはその点では幸運だったのかもしれないが、

それでもその時にダンカンの一歩を踏み出した勇気に心を揺さぶられた人は多くいるのではないかなと思える作品。

年齢が上がっていくにつれ、段々とその一歩を踏み出すことのハードルも上がっていくものなのだろうと感じてきた。

それを踏まえて、立ち返ると青春とは「可能性が広く開かれた」状態であるという言葉もよりしっくりと解る。

逆に言えば、青春というものに年齢制限などなく、その人次第でいつでも「可能性を広く開かれた」状態に持っていくことはできるんだけどね。
自戒も含め、多くの人がそうすることは難しいから、社会的に与えられた枠組みの中で生きていると高校生あたりが「可能性が広く開かれた」状態のピークなんだろうなぁ。大学からは専攻にわかれ、段々と将来の自分の像を狭めていく作業に移行していくしなぁ。なんて感じながらも、一歩を踏み出す勇気を与えてくれるのがダンカン。

倉庫に眠ってたピンクの自転車で通う姿なんかもとても良いよね。最初のウチなんかは周りに笑われたって、同世代の奴らが近くをすれ違う時は俯きがちになったって、それでもピンクの自転車で自分の道を進むダンカン。

すごいカッコいい。
Ryutaro

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