ぼるびっと

プリズナーズのぼるびっとのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.3
かつて、96時間という娘溺愛親父映画の傑作で、主人公が「俺は娘の為ならエッフェル塔だって倒す!」と豪語しましたが、今作のお父さんは全国・娘の為ならえんやこら選手権でもひらこうものなら、決勝まで必ず勝ち進んできそうな逸材でした。
幼い愛娘の突然の失踪。ほんの数分前まで、側にいたのに、守れなかった。
そんな思いが、家族思いの平凡な男性を狂気に走らせるんですが、ヒュージャックマンがそんな暴走お父ちゃんエクスプレスを熱演しているので、もう彼に疑われて散々な目にあうポールダノ演じる青年は悲惨の一言!疑わしいのはわかるが、貴方のアダマンチウムパンチでボコられたら、顔が練りたてのパン生地になっちゃう!と、彼に寧ろ同情したくなる有り様です。
タイトルの通り、登場人物(娘や奥さんや友人夫婦など)は皆、なんらかのしがらみに囚われた囚人なのですが、一番の囚人といえるのはこの父親なんだろうなぁと思わせる、いいサスペンスでした。
ボコられ具合に、ヒィヒィ泣きがハマりすぎなポールダノも良かったですが、イチオシは、烈火のように激しいヒューパパの演技にたいし、湖のように静かな、波さえたてないギレンホール演じるロキ刑事の演技ですね。
二人が全く違うアプローチで事件を解決しようとする過程が面白くて、尺長なのにあっという間でした。