Chiaki

チョコレートドーナツのChiakiのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ルディとポールが施設にマルコを迎えに来て、強く抱き合う3人。ハッピーエンドのおとぎ話が大好きだったマルコは、本当のハッピーエンドを手にすることができた。
そんなラストを信じて疑わなかった。
でも現実は悲しい悲しい結末でした。それでも愛に溢れていて、とっても素敵な映画でした。こんなに感銘を受けた映画は久しぶりです。

この3人が大好き。周りからどんなに非難されても、恋人を深く愛し、最愛の息子を守りたいという気持ちを捨てなかった。この時代に彼らを取り巻いた苦しみは、同性愛者への差別や偏見。この映画を通して、そんな社会問題について、多くの人が話題にしているけど、この時、もっと辛い事が彼らを待ち構えていたとしても、それが何であろうと、絶対2人はマルコと暮らすことを諦めなかったと思う。
どんな家族より家族らしい、正に愛を絵に描いたような作品。本当に素晴らしい。

そして歌や音楽も、この映画の魅力の一つ。ルディが歌う力強い魂の歌。涙なしでは聴けません。ハッピーエンドじゃなくても、何度も見たいと思わせる理由の一つは確実にこれです。
ボブ・ディランの「I shall be released」。作中ではやはり差別からの解放という意味が込められていると思いますが、私は、人は本当に好きなものを「好き」と言えるときが一番自由を感じられるのだと思いました。誰もが持っている好きという気持ちは、本来ならばとても素敵な感情なのに、その気持ちに罪悪感を覚え押さえ込むなんて、辛すぎる。世の中にそういう人が沢山いると思います。身近な事で例えると、音楽や映画の趣味も、アイドルも二次元もなんでも、好きになることを止める権利は誰にもない。
We shall be releasedだから。

話が少しそれてきてしまった…笑
この映画はいろんな気持ちや感情がいっきに溢れて、上手く言葉にできない。鑑賞してから1週間くらい、どんな風にレビューを書こうか考えたけど、結局書いてることめちゃくちゃで長くなってしまった(^^;)
もっともっと主役の3人一人ひとりについて触れたかったし、特にラストひたすら力強く歌うルディから感じられるものとか、マルコ役のアイザックの演技とか、もっともっとこの映画で伝えたいことがいっぱいあります。

2回見たけど、時間とお金さえあれば公開中は何度でも見たい。
3回目は確実に行く予定です。こんな映画に出会ったのは初めてかもしれない。
Chiaki

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