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イーダのROYのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.2
現代ポーランド映画界を代表する新世代の才能が描く戦後東ヨーロッパの光と影

わたしは誰?1962年、ポーランド。少女は自分の出生の秘密を知るため旅に出た。

■STORY
1962年、ポーランド。孤児として修道院で育てられた18歳の少女アンナは、ある日院長から叔母がいることを初めて知らされ、正式な修道女となる前に、その叔母ヴァンダに会いに出向く。そこでアンナは「あなたの名前はイーダ。ユダヤ人よ」と叔母から意外な自身の秘密を聞かされ、ますます驚くことに。一体なぜ自分は両親から引き離されたのか? アンナ=イーダは、さらなる過去の秘密を知るため、ヴァンダとともに旅に出る。

■NOTE
バッハのコラール前奏曲「イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ」BWV639

デジタルカメラ:ARRI ALEXA Plus (4:3)
レンズ:Zeiss Ultra Prime

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パヴェウ・パヴリコフスキ:自分がユダヤ人であることを悟るカトリックの尼僧の話を、何年もの間ああでもないこうでもないともてあそんでいました。当初は、ストーリーの時代背景を1968年に設定していたのです。ポーランドで学生による抗議行動が生じ、共産党(ポーランド統一労働者党)が反ユダヤ的な排斥運動の後押しをした(いわゆる「三月事件」として知られる)年です。もともと考えていたストーリーの主人公はイーダよりやや年長の尼僧でした。そのほか、困難な問題を抱えた司祭や、公安省の職員も登場していました。そして全体的に、当時の政治にもっとどっぷりと浸った内容だったのです。当初の脚本は、自分の好みに反して少々図式的にすぎるうえ、スリラー志向も強すぎ、また筋が込み入りすぎてもいたので、しばらくの間『イーダ』は棚上げにして『イリュージョン』(2011)を作るためにパリへ行ってしまいました。ですから当時はまた別の土地にいたわけです。

↑「62年ポーランドの光と影、過去を探す旅に出た少女『イーダ』」『webDICE』2014-07-25、http://www.webdice.jp/dice/detail/4309/

■COMMENTS
本作における「カメラがもつ役割」を考察した記事を翻訳してみました。(https://note.com/roy1999/n/nffba7affb93a)

全てのショットが美しかった。
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