敗戦後にソ連に占領された北方領土。
島から日本人たちが追い出される2年の間のエピソード、および樺太の収容所に移されてからの悲劇などが、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」のファンタジックワールドを時に交えつつ描かれる。
ソ連軍による理不尽な家屋・資産没収などはあっても、暴力暴虐などはなかったように描かれていたが、そこら辺の史実性は何とも言い難いところ。
エンドテロップにてロシア側の協力も多数あったようなので、何らかの配慮があったのかもしれない。
何れにしろ日本人であればやるせない思いに囚われないわけにはいかず、ファンタジック描写のおかげで深刻さはさほど感じられないけれども、悲劇の場面ではやはり胸にこみ上げるものはあった。