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劇場版 仮面ティーチャーのodyssのレビュー・感想・評価

劇場版 仮面ティーチャー(2013年製作の映画)
2.0
【残念】

原作未読、テレビ版も見てません。この映画だけでの評価です。

学校ドラマとして見て、話が単純すぎる。つまらないなと思いました。

たぶん、この設定は最近の学校では体罰禁止がやかましく言われ、しかし他方でクラスの秩序維持がむずかしくなっているという現状をふまえて、「これならどうかな」という、無論フィクションだから設定はやや極端になっていますけど、要するに体罰をあくまで教育愛という範囲にとどめつつ秩序維持に用いるけれど、体罰それ自体が教師と生徒の信頼感を損なうような形で行われたらオシマイ、というようなお話にしたつもり、なんでしょうね。

だけど、実際にこの映画を見ていても、あんまりその辺が突き詰められていない。そもそも体罰に愛情があるかないかがどうやって分かるのか。また、仮に愛情が籠もった体罰だったとして、そういう体罰ならどんな生徒でも改悛してくれるのか。

世の中、そんな甘いもんじゃないでしょう。現にこの映画でも、体罰はさておいて、教師の必死の努力をせせら笑うワルの生徒は少なからず出てくるんだし。努力が体罰を伴わなければ効果はないが、愛情が籠もった体罰であれば万事解決・・・・って、笑っちゃいますね。

そういう言い訳みたいなものはこの際捨てて、「クローズゼロ」みたいな殴り合いの話に最初からしてしまえば、話に偽善性がなくてすっきりしたと思うんですけどね。暴力教師をあくまで肯定する、という筋書きで。でも教育がからむ映画だから偽善性も必要だということで、こういう半端な作品になっちゃったのだろうな。

残念な出来というしかありません。
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