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ホドロフスキーのDUNEのbennoのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
3.8
存在しない映画について語るホドロフスキー監督のドキュメンタリー…それが…殊の外面白い!! おまけに大ⳣ₹❤︎” レフン監督が出ていることを見逃していましたっს

SFファンの聖書『デューン・砂の惑星』(フランク・ハーバート)の映画化…。

世界に2冊しか無いコピーを目にしたレフン監督は…
“I am the only spectator I’ve seen the movie. I’m gonna tell you something…It’s awesome!!”
あの映画を見た唯一の観客としてこれだけは言いたい…素晴らしい!!

そして共に映画を作る仲間…"魂の戦士"を探します…。フランスで最も有名で才能のあるBD作家ジャン・ジロー・"メビウス"…監督は"私のカメラ"と彼を喩えます。

そして特殊効果の第一人者、『2001年宇宙の旅』のダグラス・トランブル…当初、彼とは40回以上も打ち合わせたものの、高い技術は持っているが自惚が強く精神的深みがない…とあっさり切ってしまいます。監督にThat’s the guy. と言わしめたのは1974年『ダーク・スター』(ジョン・カーペンター)で特撮を担当したダン・オバノン…。

監督は「私にとって大切なのは芸術…技術はその次」と語ります。

他にも悪の城などのデザインにはスイスの異端画家H.R. ギーガー…宇宙船などのデザインにはスペースオペラ小説のカバー画で知られる画家クリス・フォス。

音楽にはピンク•フロイド…フランスのプログレバンド、マグマ。

そして何と言ってもぶっ飛んだ発想のキャスト陣…。

デヴィッド・キャラダイン、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ…極め付けは…サルバドール・ダリ!!

ダリは史上最高額のギャラを要求します…そして落ち着いたのは…出演1分につき10万ドル!! 登場時間は長くて5分…当時、芸術家のミューズでありダリの愛人アマンダ・リアを皇女役にすることで話は纏まります…。


しかしハリウッドでは…全てがクリアになっても監督だけがNG…。

レフン監督は…
“I believe deep down the people did not do this film in America cuz they were afraid of him.”
ハリウッドが拒絶したのは彼を恐れたからだ…。

いつもは、にこやかな印象で、夢について語るホドロフスキー監督はまるで子供のように目を輝かせオーバージェスチャーで楽しそう…。ただ、こんなにも苦しそうで悔しそうな監督の顔は見ているのが辛くなるほど…。

「映画には心がある…精神も…無限の力も…大きな志も…そうゆう映画を作りたかっただけだ…」と…。

そしてデヴィッド・リンチに引き継がれた作品を恐る恐る観たホドロフスキー監督は……とってもキュートでした!!

「あまりの酷さに嬉しくなった…大失敗だ…しかしそれはリンチのせいではない…製作者のせいだ…」

ホドロフスキー監督のどこまでも強烈なアヴァンギャルドのセンスはそのままに…溢れんばかりの愛くるしいキャラクターに魅了されまくり…幻となった『デューン』…せめてジローのBD出版をs’il vous plaît…。

リンチの『デューン』…ちょっと観たい気もするけど…( ˘•ω•˘ ) ナヤムナー꩜
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