takanoひねもすのたり

アクト・オブ・キリングのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.8
インドネシアで起きた軍事クーデター9月30日事件(1965年9月30日)その経過で発生した民兵による共産党者100万人大虐殺に関するドキュメンタリー。

視点がユニークで、虐殺に関わった元リーダー2人に当時を再現してもらい、その成り行きをそのまま取材している。
みな共産党員殺害については得意げに話す。
それぞれが自分を英雄的行為を行ったと信じているから。

戦争で人を殺しても咎められないのと同じで、共産党者を抹殺することは英雄的行為。そういった政府のプロパガンダの影響も大きく民兵による虐殺は大変な数になった。

このドキュメンタリー制作に関わり、虐殺について深く感じ始めたアンワル(元民兵リーダー)が、被害者を演じることにより自己の行為の意味を自覚するラスト15分間が何より重い余韻。