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アクト・オブ・キリングのTSのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.5
ドキュメンタリー映画。先日観た『ダーウィンの悪夢』も相当暗い映画でしたが、これも負の歴史なので中々重い。でも非常に面白いことに、この映画は、実際の殺人犯をキャストとして使用していることです!

1965年に9月30日事件というものがあり、その中で共産主義の人たちを虐殺してしまうという負の歴史がありました。それを再現してくれ!と監督が元殺人犯たちに促すと、ノリノリで協力してくれたとか(笑)!
最初からいかついスーツを着た如何にもギャングのようなおじさんが出てきて、拷問を再現していきます。彼らの放つ話は、おおよそ本物であるので、拷問場所とかそれらも無論全て本物です。。
なんとまあまた凄いドキュメンタリーを作ったもんです(°_°)

さて、僕が一番この映画で感じ取ったのは、主演たちが、当時の殺人がいけないものだと認識しているということです。そしてそれに加えて、敢えてこれらを映画化し、世の人々に見せることにより、共産主義の人たちは悪くない、悪いのは俺たちだった、ということを伝えるのです!
いやはやこの精神には脱帽。みなさんもどうでしょうか?昔々にしてしまった、それこそいじめとかの、自分にとって不名誉なことを、敢えて映画にして人々に見せるということなんてできるでしょうな?いくら時効とはいえ、人を殺したことに変わりはない。でも真実、歴史をしっかりと伝えなくてはならない、、、

冒頭に主演の老人が放った言葉が印象的でして、この言葉は、映画というものの全てを凝縮してるような気もしました。

「大作でなくてもいい。成功しなくてもいい。これを世に出すことが重要だ。若い世代に、歴史を、真実を伝えないといけない。」

映画はやはり人に伝えてナンボです。興行収入とかもビジネス的には大事かもしれませんが、映画てやはりそれくらいの粋で作らないと成功しないのかもしれませんね、、、

ドキュメンタリーが肌に合わない人は厳しいかも。あくまで再現なので、グロテスクな描写が出てくるかどうかは微妙なところ。。でも元殺人犯たちが、映画を通して、当時の悪を正当化し、自分たちを卑下するその姿勢は中々見ることができません。なので貴重な映画でした!

スコアは3.3と世間的に微妙のようですが、自分の中ではこれ75点程です。
別でやってるツイッターの方では100点満点で掲載しているため、どうしてもこのような形になってしまいます(°_°)
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