TOSHIKI

インセプションのTOSHIKIのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
3.8
ディカプリオ、キリアン・マーフィ、渡辺謙、トム・ハーディ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット…と俺にとってご褒美でしかない豪華メンツの映画。なのだが…やっぱり、同監督の『テネット』やリュックベンソンの『ルーシー』とかでも思ったんだが、俺はどうもエセ科学SFが嫌いらしい。どうにも荒唐無稽に感じられて、「いやいやそんなことある?」「エビデンスは?」とか終始クッソつまらないツッコミを入れてしまう。なんだろう。ファンタジーとかなら、多少荒唐無稽でも、「まあええか」となるけど現実に即したSFだとツッコんでしまう。ツッコんでしまうから中盤や終盤のハラハラドキドキ展開が茶番にしか見えなくなって興醒めしてしまう瞬間がある。ジョセフゴードンがメンバー全員を鏡餅みたいに縛り上げて無重力の中を移動させるのとかもう笑ってしまった。ハラハラ展開が茶番にしか感じられなかったから、ノーラン監督のよくやる畳み掛けるような怒涛の展開が少し煩わしく感じられたな。銃撃戦もう見たくないよって思ってしまった。銃撃戦のクオリティや出てくるガジェットの凝りようは本当にすごいんだけどなぁ。最後まで映画に入れ込めれば、ダークナイトみたいに畳み掛ける展開には手に汗握れるんだろうな。
ただ、やっぱり役者が役者なのでみんな演技うまくて引き込まれたのは事実で、ラストのキリアンマーフィーの演技とかには涙しそうになった。エレベーターで秘密の記憶に向かう演出とかには胸が高鳴ったし(ハウルみたいで)、ノーラン監督がやりたいのであろう、異次元の映像表現というのは完全に成功していて、そこは大迫力だったな。
結論、取り扱っているSFネタは好きじゃないがスゲェ映像と役者とノーラン監督のフェチズムは好き。
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