主人公が夢遊病だから話がとっちらかって纏まりに欠けたとしても多少理解はできる。
しかし、警察のくせに自分の体を売ってまで被害者の居所を聞き出そうとした気概に感服して自供しちゃう主人公の心中はさっぱり理解に苦しむ。
というのも、自供する理由が"愛"ゆえになら理解できる。
だが、その2人が本当に愛し合っていたとは映画を観る限り到底思えないからである。
もし仮にそれが成功していたならば、2人は愛の犯罪者として、その完璧なタイトル回収に観客は感服していたことだろう。
主人公は夢遊病のため自らの犯行が判然としない。が、警察である彼女を愛するがために自供することで犯罪者となる。
そして、いっぽう彼女も愛するがために警察としての一線を越えてしまう。
このような愛の犯罪者をもっと映画の表現で観てみたかった次第である。