MikiMickle

鑑定士と顔のない依頼人のMikiMickleのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.8
美術品の一流鑑定士であり競売人であるヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ。)。
ある日、両親の残した美術品たちを売りたいという依頼で広い屋敷を訪れる。
全く姿を見せない依頼人クレア。彼女は、壁の向こうの隠し部屋にいた…
広所恐怖症のクレアは事あるごとにパニックになり、オールドマンは不信感と苛立ちをおぼえる。しかし、偶然、歴史的価値のある歯車を見つけ、部品を探すために訪れていくうちに、だんだんと謎の女クレアに興味を持ち、それは恋へと変わっていく………
常に手袋をはめ、他人との関係を避けてきたオールドマンにとって、初めての恋だった………

という、熟年の恋愛と美術品を軸にしたミステリーです。


最初のほうで、オールドマンが目をつけたものをこっそりと友人のビリー(ピーター・サザーランド)に買わせてるという悪事をはたらいている時点で、おっ!面白いぞ!!ときた!!
オールドマンは女性の肖像画を長年かけて集め、自宅の隠し部屋いちめんに飾っては眺めているのが至福の時なのだ。

クレアの屋敷に転がっていた部品を集めて、オートマタと呼ばれる機械仕掛けの人形を少しずつ作り上げていくんだけど、その過程と、二人の状況がうまくリンクしている。機械の修復士ロバート(ジム・スタージェス)とのセリフ使いも巧み。

ミステリーなので、多くは語れません。
とりあえず、83歳のオールドマンが童貞なのがびっくりした(笑)
あと、美術品の数々が見ていて楽しい♪

見抜けた見抜けないというよりも、
「偽りの中にも真実がある」という、オールドマンが良く言うセリフが、この映画の意味なんだと思います。
ミステリーだけど、ヒューマンドラマ。

ラストが印象的………
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