yaaa

無常のyaaaのレビュー・感想・評価

無常(1970年製作の映画)
4.5
傑作一方手前。
個人的には残り1.5割がなんか違った。
それまではバキバキに映画の正解を見せつけられているよう。

仏教の極楽を追及して世の中、世間、ルールにテロするパンクな映画。
そのテロ行為は爆弾破裂させるとか、銃を乱射するとかではなくて、「やりたいようにする」つまりいい女がいたらヤッちゃうという男前なもの。

ATGの低予算を感じさせない画面で監督特有の極端な「なめ」のカット、魚眼で歪む、スムーズな移動…よい意味のやりたい放題が炸裂。
古き日本家屋の街並みに突然新幹線などドッキ!とする。

それよりも話が面白い。
小難しいことなく単純に面白い。
すでに「ファイト・クラブ」?
すでに「エクソシスト」?
みたいに鮮烈。

熟れすぎて汁が滲みでそうな禁断の果樹となる主人公の姉のたわわなエロさ。それを凝視する男どものエロい目付き。もう腹一杯。

音の付け方もキレキレで「ラジオ体操」の正しい流し方から、滴が「ぴちゃん」といやらしく鳴る。参った。

終盤の坊さん(常識)との論争はもっと芝居に絡めて観たかったのと、カッコ悪いを通りすぎてシュール過ぎる最後はなんだかなぁだが、それ以外は楽しめた。

ATGで撮った本作「哥」「曼陀羅」のおっぱいポロン三部作は難解なタイトルに反比例して笑えるすれすれ、ニヤニヤしながら観れる面白さに満ち溢れてます。

以前、観たことあったがスクリーンでかかるということで観に行ったわけだが、「これニュープリント?」と思うほど綺麗な画面に驚いたのもつかの間。
最後に「キングレコード」と出てBlu-rayかよ!!と。今度発売なのね。
ちょっと残念。
yaaa

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