kazu1961

白痴のkazu1961のレビュー・感想・評価

白痴(1951年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-673 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋黒澤明監督が敬愛するドストエフスキーの名作を映画化した作品。166分もの長尺をこれぞ黒澤流の新劇っぽい群像劇で一気にのめり込んで観てしまいました。きっと今はもう観られないオリジナルの345分バージョンでも観てしまえたでしょうね!!

🖋とにかく黒澤演出のオンパレード!!舞台を原作のロシアから札幌に移し、妖しく儚げな雪のシークエンス、新劇っぽい演出、大胆な室内劇など独特の世界観。精緻な内面描写も素晴らしく、そのためのクローズも多用されました。その際役者に対してまばたきを禁止するなど精緻な演技指導がなされたそうです。

🖋そして個性を全面に出してぶつかり合う4人の主演陣熱演は拍手ものです。特に原節子の演技が圧巻!!クライマックスの原節子と久我美子の対決での原節子のむき出しの演技と表情、『わが青春に悔いなし』でもそうでしたが、黒澤監督は原節子の女優としての幅を引き出すことに見事に成功しています。

🖋少しだけ残念なのは、主人公の亀田が最後どうなったかが今ひとつ分かりずらかったところ。これもカットされた影響なんでしょうね。。。完全版が観てみたいものです。

😢Story:(参考:yahoo movies )
戦時中のショックで白痴になったと自ら語る純真無垢な青年、亀田欽司。彼は札幌へ帰る途中で無骨な男、赤間伝吉と知り合い、仲良くなる。その赤間は有力政治家の妾、那須妙子に熱を上げていた。亀田も妙子の写真を一目見て心奪われる。一方、そんな無邪気で美しい心を持つ亀田のことを、親類の娘、大野綾子は誰よりも深く理解し、そして心惹かれていった……。

🔸Database🔸
・邦題 :『白痴(1951)』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1951
・日本公開 : 1951/05/23
・上映時間 : 166分
・受賞 : ※※※
・監督 : 黒澤明
・脚本 : 久板栄二郎、黒澤明
・原作 : フョードル・ドストエフスキー
・撮影 : 生方敏夫
・音楽 : 早坂文雄
・出演 : 原節子、森雅之、三船敏郎、久我美子、志村喬、東山千榮子、柳永二郎、千秋實、千石規子

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
黒澤明自身が敬愛するドストエフスキーの名作「白痴」を映画化した美しくも激しい愛憎劇。純真無垢な美しい亀田青年、彼を愛するふたりの女・綾子と妙子、そして妙子を野獣のように愛する無骨な男赤間。4人の間には、神々しいまでの愛と激しい憎悪が燃えあがる。原作に忠実であろうとするあまり、当初前後編4時間25分の長編として完成したが、難色を示した松竹側と黒澤監督が対立。切るならフィルムを縦に切ってしまえと、激怒した逸話は有名。結局現在観ることのできるのは大幅にカットされた166分バージョンのみである。
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